2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of dynamic-molecular recognition mechanism by the dimeric RNA maturation enzymes
Project/Area Number |
15K06975
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
平田 章 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 講師 (60527381)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | tRNA maturation / tRNA methyltransferase / RNA splicing / アーキア / 酵母 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、ダイマー型RNA成熟酵素の動的な基質認識機構を多角的解析手法により解明することでした。最終年度では、酵母由来Nm34tRNAメチル化酵素Trm7-Trm734およびTrm7-Trm734-tRNApheの三者複合体の溶液中における外形構造をSAXS解析により推定しました。また、それらの外形構造の情報とTrm7-Trm734およびtRNApheのX線結晶構造を用いて、Trm7-Trm734-tRNAPhe三者複合体の構造モデルを構築し、さらに生化学解析を行いました。その結果、Trm7-Trm734はtRNApheのD-armを起点にメチル化サイトであるtRNAPheのG34までの距離と角度を測定していることが判りました。つまり、Trm7-Trm734は分子定規認識機構を採用して、G34の2-O原子をメチル化してることが考えられました。Trm7と相同性の高いヒトFTSJ1の変異体A26Pは、精神遅滞の原因であることが知られています。そこで本研究では、Trm7における変異体A26Pを構築し、A26Pのメチル基転移活性を測定しましたが、野生型Trm7-Trm734に比べて、A26Pはほとんどメチル基転移活性を検出できませんでした。Trm7のA26は、2つ目のαヘリックス上の2番目に位置しており、構造の制約が厳しいプロリン残基への置換は、αヘリックスを不安定化し、メチル基供与体であるS-adenosyl-L-methionineと結合するS25に影響することが考えられました。したがって、本研究により、ヒトFTSJ1A26Pが精神遅滞を引き起こす原因を分子レベルで推定することができました。現在、以上の研究成果をまとめて学術雑誌に投稿中です。一方、RNAスプライシング酵素とtRNAメチル化酵素aTrm11の基質認識機構を明らかにし、その研究成果を学術雑誌に報告しています。
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Research Products
(8 results)