2015 Fiscal Year Research-status Report
原核生物および真核生物シャペロニンのフォールディング促進メカニズムの解明
Project/Area Number |
15K06983
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
元島 史尋 富山県立大学, 工学部, 研究員 (70372464)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 分子シャペロン / シャペロニン / フォールディング / 疎水性 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々が提唱しているシャペロニンのフォールディングメカニズムを検証するため、変性タンパク質をシャペロニンと強制的に共有結合を作らせた場合のフォールディングについて研究を行った。その結果、GroELと結合しているにも関わらず基質タンパク質の大部分がフォールディングすることが示された。この結果は我々が提唱しているモデルを支持している。この結果はBiochemical and Biophysical Research Communication, 466, 72-75 (2015)に筆頭著者として報告した。 次にシャペロニン空洞内の疎水性残基を網羅的にシステインに置換し、フォールディング特性を測定した。これまでにフォールディングに重要とされた残基以外の残基についてはフォールディングへの影響は小さかった。意外にも最も疎水性であるGroELのC末端ペプチドは親水性に変えても大きな影響はなかった。これらの結果から空洞の上半分の疎水性残基がフォールディング促進だけでなく、変性タンパク質を空洞内に留まらせるのにも大きく関わっていることが示された。これらの結果については現在論文を執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
シャペロニン変異体の解析の論文を平成27年度中に投稿する予定であったが、まだ投稿できていない。この主な原因は私が現在所属している浅野ERATO酵素活性分子プロジェクトにおいて20%のエフォートしか本研究課題に割くことができないためである。 それでもシャペロニン変異体を用いたフォールディング反応中間体の解析について論文を報告することができた。また網羅的変異体の解析結果についても現在論文の最終調整を行っているところであり、遅れてはいるものの研究は順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度上半期までにシャペロニン変異体の解析を終了して論文を投稿する予定である。限られた時間しか与えられていないが、より精力的に研究を進めていく必要がある。
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Causes of Carryover |
平成27年度はERATOプロジェクトの研究員となり、すべてのエフォートを本研究課題に使うことができなかったために予定した実験をこなすことができなかったことと、この研究施設にある機材を使用することができ、新たに購入する必要がなかったため、予定していたよりも研究費を使用しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は平成27年度で繰り越した研究費で十分にまかなえると判断し、平成28年度分の研究費を申請しなかった。
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