2016 Fiscal Year Research-status Report
ダイナミンによる微小管ダイナミクスの新しい制御機構の解明
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15K07004
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
濱生 こずえ 広島大学, 理学研究科, 准教授 (10403578)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ダイナミン / 微小管 / ダイナミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
ダイナミンは微小管結合タンパク質として発見されたものの、微小管に結合したダイナミンの機能は不明のままであった。本研究は、ダイナミンによる微小管ダイナミクスの制御機構を明らかにすることを目的としている。平成27年度は、『研究1 細胞内でのダイナミンによる微小管ダイナミクスへの影響』を引き続き行うとともに、『研究2 ダイナミンによる微小管ダイナミクス制御の分子メカニズムの解明』を試みた。 【研究1 ②ダイナミン変異体を用いた微小管ダイナミクスの解析】 ダイナミンは複数のSH3ドメインタンパク質と結合することが知られている。このSH3ドメインとの結合部位と推定されるPXXPXRの配列をAXXAXKに置換した変異体を作成した。この変異体をHeLa細胞に発現させると、ダイナミン変異体は細胞質に分散している様子が観察された。この時、アセチル化チューブリンは、野生型と変化しなかった。このことから、ダイナミンとSH3タンパク質との結合は、微小管の状態に影響を与えないことが示唆された。 【研究2 ①ダイナミンと微小管伸長端結合タンパク質の相互作用解析】 HeLa細胞からダイナミン抗体を用いて免疫沈降を行い、微小管伸長端タンパク質の一つであるEB1が共沈する否かを検討した結果、EB1はダイナミンと共沈しなかった。また、CLIP170、CLASP2、CKAP4の抗体がHela細胞抽出液に存在することは確認できたので、ダイナミンとの共沈実験を現在行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
微小管のダイナミクスを変化させるダイナミン変異体やダイナミンと結合する微小管伸長端結合タンパク質が同定されていないため、今後も引き続き、探索を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度には、『研究2 ダイナミンによる微小管ダイナミクス制御の分子メカニズムの解明』「② ダイナミンによる微小管伸長端結合タンパク質の局在制御」において、ダイナミンの発現抑制により自身の局在を変化させる微小管伸長端結合タンパク質を同定する。また、「③ ダイナミンによる微小管ダイナミクス制御の in vitro 解析」を行う予定である。
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Causes of Carryover |
学会参加の宿泊日数が予定よりも少なくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の学会発表の旅費として使用する。
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