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2016 Fiscal Year Research-status Report

骨格筋・心筋収縮のカルシウム制御機構の高分解能クライオ電子顕微鏡法による解明

Research Project

Project/Area Number 15K07032
Research InstitutionTeikyo University

Principal Investigator

若林 健之  帝京大学, 理工学部, 教授 (90011717)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywordsアクチン / カルシウム / 収縮制御 / トロポニン / トロポミオシン / 重合機構 / クライオ電子顕微鏡 / 三次元再構成
Outline of Annual Research Achievements

横紋筋である骨格筋と心筋の収縮・弛緩のカルシウムイオンによる制御の構造的基盤を近原子レベルの分解能で明らかにすることを目的としている。この制御は、アクチン、トロポミオシン、トロポニンからなる三者複合体の形成によって初めて可能となる。
この三者複合体の構成蛋白質をウサギ骨格筋から精製し、これらを複合して、制御可能な三者複合体を作製した。このフィラメントを、高分解能クライオ電子顕微鏡で観察し、その像を直接電子像ディテクター(DED, direct electron detector)で記録・収集するために、試料凍結用グリッドの前処理条件及び凍結条件を検討して、良いフィラメント像が得られる条件の確立に成功している。比較のために、単純な構造であるアクチンフィラメントについても、同様のアプローチによって良いフィラメント像が得られる条件の確立に成功しており、アクチンの重合機構について、これまでよりも高い分解能で明らかにしようとしている。
利用しているTitan-Krios電子顕微鏡を操作するためのEPUソフトウェアの扱いにも習熟し、自動・無人での連続撮像も出来るようになっている。
良い複合体試料では、三者複合体は直線的であり、フィラメントのフーリエ変換の強度マップは、規則的な層線構造を示した。これらのフィラメント像を解析するソフトウェアであるEOSシステムや、RELIONシステムを研究室のコンピュータにインストールし、後者のシステムに関してはグラフィックボードを用いた計算の加速も可能になった。
これらを統合して、アクチン・トロポミオシン・トロポニン複合体に三次元像と、アクチンフィラメントの三次元像を再構成しようとしている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

これまで、帝京大学宇都宮キャンパスのITハウスのスタッフによるコンピュータシステムに関する支援が十分に得られているため、RELIONソフトウェアシステムによる画像解析を進めることができており、画像からピックアップしたフィラメントのセグメント像の二次元的分類、分類された各クラスに属するセグメント像を平均することにより、より高い信号対雑音比でのセグメント像が得られている。大阪大学超高圧電子顕微鏡センターでの、高分解能電子顕微鏡の利用が希望どおりにできており、センタースタッフによる親切で適切な支援が得られている。大阪大学蛋白質研究所の電子顕微鏡試料作成装置の利用が希望どおりにできており、電子顕微鏡用グリッドの前処理を再現性良く出来るようになっている。

Strategy for Future Research Activity

高分解能電子顕微鏡法は現在も急速に発展しており、これに合わせて、より信号雑音比の高い電子線直接ディテクターを利用することにより、これまでよりもより高い分解能を、より少数の電子顕微鏡像から得ることを目指している。

Causes of Carryover

物品費に関して、当該年度の残額では必要な電子顕微鏡用グリッドの金額に不足があるので、残額は次年度に繰り越して、次年度予算から支出することにしたためである。その間に必要となるグリッドはこれまでに備蓄したものを用いることにした。

Expenditure Plan for Carryover Budget

電子顕微鏡用グリッドを計画よりも多く使用できるように、計画を変更した。それ以外は当初の研究計画で予定した通りに使用する。即ち、筋肉蛋白質を精製するための費用、電子顕微鏡用グリッド購入のための費用、大阪大学超高圧電子顕微鏡センターでのクライオ電子顕微鏡写真を収集するための旅費などである。

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 細胞性粘菌のTyr143変異アクチンのカルボキシ末端領域にあるPhe352、Met355とTrp356の側鎖の二型性2016

    • Author(s)
      118.Yuki Gomibuchi, Taro Q. P. Uyeda, Takeyuki Wakabayashi
    • Organizer
      日本生物物理学会
    • Place of Presentation
      つくば国際会議場(茨城県つくば市)
    • Year and Date
      2016-11-27

URL: 

Published: 2018-01-16  

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