2015 Fiscal Year Research-status Report
細胞間コミュニケーション可視化のための新規発光性プローブの開発
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15K07040
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
齊藤 健太 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60374659)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | BRET / FRET / 細胞間情報伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は申請書の予定通りに、分子間BRET(bioluminescence resonance energy transfer)を利用したシナプス可視化指示薬の作成を行った。これは分子デザインとして、シナプス前細胞にカイアシ発光タンパク質(GLuc), 後細胞にHaloTagを介して赤色蛍光色素が結合するようになっている。まずは神経接着因子の細胞外ドメインにそれぞれを結合し、これを基本となる分子として培養細胞発現用プラスミドベクターに導入した。これらをLipofectamine3000にて293細胞にトランスフェクションし、それぞれがきちんと細胞外に提示されるかどうか確認をおこなった。赤色蛍光色素はHaloTag結合型とし、HaloTagが発現した後に培地に添加し1時間程度37℃でインキュベートする事で結合させ、その後に培地中の余分を洗浄した。GLucの方は基質であるcoelenterazineの添加により、赤色蛍光色素の方は励起光を与えてイメージングを行ったところ、それぞれ発現させた293細胞の細胞膜で発光・蛍光が確認できた。 次にマウス初代海馬および皮質神経培養細胞への遺伝子導入法としてエレクトロポレーション(Nepa21,ネッパジーン)を用いた。まず使用する培地、電圧・パルス等の条件を詳細に検討し、60%以上の導入効率、80%以上の生存率で遺伝子導入ができることが確認できた。遺伝子導入条件が決まったので、先に行ったようにマウス初代海馬および皮質神経培養細胞に発現した際にGLuc, 赤色蛍光色素が細胞外に提示されるか確認することができた。 現在は基本となる分子のリンカー配列を最適化し、シナプス結合依存的に両者間で高効率のBRETが起こる指示薬の作成を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に記載したとおり、時間を要すると考えられていた(1)基本となる指示薬がそれぞれ細胞外へ提示されることの確認、(2)マウス初代海馬および皮質神経細胞の調製およびそれらへの遺伝子導入の条件、がスムーズに終了したため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本年度に作成した基本となる指示薬を改変し、最もBRET効率の高い指示薬を完成する。計画書には書かなかったが、その後に着想した大腸菌を利用した指示薬のスクリーニングについて試みる。うまくいけば進行を早くすることができ、また今後他の指示薬を作成する際にも有用となる。
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Causes of Carryover |
プレートリーダーを予定していた金額よりも安く購入できたため、その分が未使用金額として残った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の予定に記載したとおり、指示薬を大腸菌でスクリーニングする実験を行うため、その分の消耗品として費用を計上する。
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