2017 Fiscal Year Annual Research Report
PI4P production and its physiological role at the plasma membrane
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15K07042
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中津 史 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50360607)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | イノシトールリン脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
イノシトールリン脂質は、細胞膜や各オルガネラ膜に独自の特異性に従って局在し、シグナル伝達、メンブレントラフィック、細胞骨格や脂質輸送・代謝など様々な細胞生理機能に極めて重要な役割を担っている。細胞膜においては、PI4Pが豊富に存在し、PI(4,5)P2及びPI(3,4,5)P3の前駆体としての機能することが知られている。しかしながら、細胞膜におけるPI4Pの合成メカニズムや、独自の生理機能についての詳細は不明である。細胞膜におけるPI4P産生は、Phosphatidylinositol 4-kinase IIIαと、その結合タンパク質群EFR3A、EFR3B、TTC7AおよびTTC7Bによって制御される。これら分子群を神経芽細胞腫由来のNG108-15細胞に発現させ、神経様突起を誘導すると、これらの分子群は神経様突起の細胞膜に局在することが判明している。そこで、神経様突起を誘導した細胞におけるPI4P局在を特異的抗体染色等により解析したところ、伸長中の神経様突起先端付近にはPI4Pが豊富に存在することが明らかになった。また、Phosphatidylinositol 4-kinase IIIαに対する特異的阻害剤であるA1を作用させると、神経様突起先端領域である成長円錐の膜ダイナミクスが消失し、突起伸長が著しく阻害された。以上のことから、伸長中の神経様細胞においては、神経様突起先端領域細胞膜にPhosphatidylinositol 4-kinase IIIα複合体が局在し、PI4P産生が促進されることでPI4Pを起点とする種々のシグナリングや膜ダイナミクスが活性化すること、そしてPhosphatidylinositol 4-kinase IIIαの機能阻害は神経様突起先端領域細胞膜のダイナミクスを顕著に阻害し、結果的に神経様突起伸長が阻害されることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)