2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15K07072
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
室山 優子 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (20422248)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 神経幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経幹細胞から神経細胞やグリア細胞が生じ、分化する過程は数多く調べられているが、個体発生の過程において、最初に神経幹細胞がどのように作られるかは不明である。研究代表者らは、神経幹細胞の性質を有する放射状グリアが神経上皮からできる時期に発現し、新しいタイプのNotch下流因子であるNeproを同定した。さらに、Neproの大脳新皮質脳室層での発現を規定する制御領域がNeproの5’上流領域に存在することを示してきた。本研究では、ゲノム領域を部分的に欠損した複数の変異体と電気穿孔法を用いたレポーター解析により、Neproの上流にある1キロ塩基の配列にNeproの発現制御領域が存在することを示した。その領域にはマウスとラットで非常に高く保存されている配列が存在し、Notchカスケードの必須因子RBP-Jが結合する部位が複数存在することが明らかとなった。 また、独自の探索により同定した放射状グリアの形成初期に発現する新しいZinc finger型因子Nepz1の機能解析を行った。Nepz1は、Neproと異なり、発生過程の時期に関わらず分化を抑制し幹細胞として維持する作用を持つことが明らかとなった。さらにNepz1に特異的なsiRNAを用いて神経幹細胞で機能を阻害したところ、神経分化が亢進することが明らかとなった。NeproとNepz1は発現パターンも異なることから、両者の神経幹細胞への作用が異なると考えられ、放射状グリアを形成する過程において神経幹細胞を維持する機構が複数の因子によって制御されていることが示唆された。
|
Research Products
(2 results)