2018 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanisms of annual killifish diapause.
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15K07074
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒川 大輔 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (40342779)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 一年魚 / 発生休止 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は東アフリカに生息する一年魚(Nothobranchius korthausae)を用いて、脊椎動物の発生休止の分子実態を明らかにし、それが、進化的にいかに獲得されたのかを推定することを目的に研究を行なった。 平成30年度は、これまでのトランスクリプトーム解析などで、同定した発生休止の開始により発現が上昇する遺伝子の突然変異体をCRISPR/Cas9 genome編集技術 により作成し、その表現形を評価することにより、目標遺伝子の発生休止における機能の解析を行った。また、それら の遺伝子の発生休止前後における時空間的発現パターンについてin situ hybridizationによる記載した。 発生休止に伴う細胞分裂周期を可視化するために、Fluorescent Ubiquitnation-based cell cycle indicater (Fucci)を用いて、細 胞分裂期には緑色、分裂間期には赤色の蛍光タンパク質を発現するトランスジェニック系統を樹立・維持している。これらの系統から 得られる胚をタイムラプス観察することにより発生休止により細胞分裂周期がどのように変化するかを解析するため 、顕微鏡にセットしたまま発生休止を誘導するための条件を決定し、発生休止に伴う細胞周期の変動を観察した(論文作成中)。また、樹立したFucciトランスジェニック系統は細胞間 期のG1期とG0期を区別することができないので、近年、マウスで確立したG0期にのみ緑色蛍光タンパク質を発現する系(Oki et al., 2014 )が、一年魚に適応可能か検討を行ったが、一年魚ではG0/G1期の両方で発現してしまい、G1で蛍光タンパク質が分解されるようなさらなる工夫が必要である可能性が示された。
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