2015 Fiscal Year Research-status Report
収斂運動を効率化する周期性を持った細胞動態の分子基盤
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15K07088
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
鈴木 誠 基礎生物学研究所, 形態形成研究部門, 助教 (10533193)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 収斂運動 / 神経管 / アクトミオシン / 低分子GTP結合タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究により、収斂運動の際にアクトミオシンの活性が細胞表層において60秒前後で変動していること、変動の幅(集積時と消失時のF-actin密度の差)が非筋型ミオシン、そして非古典的Wnt経路とRhoの活性により制御される可能性が示唆されている。しかしそもそもなぜ周期性が生まれるのか、そして周期が60秒前後なのかに関しては未解明のままである。そこでアクトミオシン活性の変動が60秒前後の周期で起こる理由を検証する目的で、低分子GTP結合タンパク質の活性動態の測定を行った。過去にゼブラフィッシュ胚で使用例があるFRET型プローブ、また使用例は無いが有効と予想される複数種のプローブを胚に導入し、高速共焦点レーザー顕微鏡にて観察することで周期的動態が存在するか検討したが、明瞭な時空間的なFRET効率の変化は観察されなかった。 また同一の目的でドミナントネガティブ低分子GTP結合タンパク質を発現させて細胞突起の形成を阻害する実験を実施した。コンストラクトを導入した細胞は神経管形成期へ移行する以前の発生段階で異常を引き起こす傾向が見られ単細胞レベルでの移植実験に供することに問題がある可能性が考えられた。そこで代替手段として光活性化型の低分子GTP結合タンパク質、更に光活性化型の低分子GTP結合タンパク質阻害剤の活用を検討した。光活性化型の低分子GTP結合タンパク質についてはPhyB-PIF6システムの検討を行い、ゼブラフィッシュ胚での発現を確認し、阻害剤についてはRockoutの検討を行い、非修飾型のRockoutが神経管形成を阻害する結果を得た。いずれの手法についても光照射による活性化の手法については充分に検討できず今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
光による低分子GTP結合タンパク質の活性制御については条件検討が進んでいる。またPhyB-PIF6システム以外にも有効と予想されるシステムの導入が進みつつあり発展が期待できる。一方で低分子GTP結合タンパク質の活性動態の定量については明瞭な結果が得られておらず、プローブの機能が十分でない可能性があり、更なる検討が必要となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
光による活性化条件を速やかに検討すると共に、定量的とされるFRET型プローブに依らない活性化型低分子GTP結合タンパク質結合部位を利用したGFP型プローブの検討を行う。
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Causes of Carryover |
低分子GTP結合タンパク質の活性動態の定量、活性制御の手法の検討に時間を要し、以降の解析に必要な消耗品の購入が遅れたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
時間を要している条件検討と平行して行うことが可能な解析を進め、その過程で必要となる消耗品の購入に充てる。
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