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2016 Fiscal Year Research-status Report

ペルオキシソーム膜ABCトランスポーターによる種子発芽制御機構の解明

Research Project

Project/Area Number 15K07117
Research InstitutionNagahama Institute of Bio-Science and Technology

Principal Investigator

林 誠  長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 教授 (50212155)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords発芽 / ペルオキシソーム / 脂質代謝 / 糖代謝
Outline of Annual Research Achievements

PED3はペルオキシソーム膜に局在するABCトランスポーターである。種子発芽に伴って、オイルボディに蓄積しているトリアシルグリセロールから切り出された脂肪酸は、PED3によってペルオキシソームへ輸送され、種子発芽に必要なエネルギー源であるスクロースに変換される。
この遺伝子が破壊されたped3変異体は種子発芽率が極端に低下する。我々はPED3が脂質からの糖新生だけでなく、アブシジン酸情報伝達や種子ムシラゲの分解を介して種子発芽を制御するという新しい概念を提唱しているが、その詳細な分子メカニズムは分かっていない。そこで、ペルオキシソームが介在する種子発芽の制御機構に関わる遺伝子の網羅的同定をめざしてped3サプレッサー変異体の単離と分子遺伝学的解析を行っている。ped3サプレッサー変異体とは、ped3変異体を再度変異源処理することで発芽率が回復した変異体である。
これまでに、ped3変異体の変異源処理、ped3サプレッサー変異体候補の一次スクリーニング、二次スクリーニングによるped3サプレッサー変異体の同定をほぼ終了した。さらに、同定した変異体の表現型解析を順次行っており、その中で有望な表現系を示す変異体から順に原因遺伝子の同定を進めている。そのうちの1系統の変異体については原因遺伝子の特定が終わり、変異体の詳細な表現型解析や遺伝子産物の生化学的解析などを元に遺伝子の機能解析を進めている。得られたデータをまとめ、早急に論文発表を行う予定である。残りの変異体については、原因遺伝子ごとにグルーピングした上で、グループごとに順次解析を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年度から続けているped3サプレッサー変異体の一次スクリーニングは終了し、多数の変異体候補株を得ることができた。さらに、候補株M3世代の種子を採種し、二次スクリーニングがほぼ終了した。これまでに、21株が二次スクリーニングで再度高い発芽率を示しており、これらをped3サプレッサー変異体として同定している。
同定した変異体については、発芽率以外にも種子ムシラゲや発芽後の植物体の形態など表現型解析を行った。この結果、種子ムシラゲの有無や発芽に対するスクロースの応答などが異常な変異体が存在することが明らかになった。そこで、これら変異体の原因遺伝子を同定するべく、変異体の遺伝学的解析を進めている。最初に発芽に対するスクロースの応答が異常な変異体について遺伝学的解析を始めた。この変異体についてはすでに遺伝子が葉酸合成酵素をコードすることを明らかにしており、現在は遺伝子機能の解明をめざして変異体表現型の詳細な解析や遺伝子産物の機能解析を行っている。それとは別に種子ムシラゲが異常な変異体についても分子遺伝学的手法による原因遺伝子の同定を進めている。

Strategy for Future Research Activity

すでに原因遺伝子の同定が終了した変異体については、早急に遺伝子の機能を明らかにして論文発表を行いたい。その他の変異体は、この変異体と異なる表現型を示している。そのため、これら変異体の解析を進めることで、新たな遺伝子の同定に発展するものと期待している。現在は、総当たりの掛け合わせを行っており、F1が得られ次第コンプリメンテーションテストによって原因遺伝子ごとにグルーピングを行う。各グループの代表的な変異体については順次ポジショナルクローニング法を用いて原因遺伝子をクローニングするとともに、表現型の詳細な解析を行い、遺伝子の機能を明らかにしていく。さらに、これら遺伝子を総合的に理解することで、ペルオキシソームによる発芽の制御機構の全容を明らかにしたい。

Causes of Carryover

一つの変異体の原因遺伝子を特定するに留まったため、分子遺伝学的解析に必要な経費が投与予定よりも下回った。

Expenditure Plan for Carryover Budget

いくつかの変異体の遺伝子解析を予定しており、マッピングや全ゲノムシークエンスなど分子遺伝学的解析に係る経費がこれまでよりも多くかかると思われる。

  • Research Products

    (4 results)

All 2016 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Book (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Extension of oil biosynthesis during the mid-phase of seed development enhances oil content in Arabidopsis seeds.2016

    • Author(s)
      Kanai, M., Mano, S., Kondo, M., Hayashi, M. and Nishimura, M.
    • Journal Title

      Plant Biotechnol. J.

      Volume: 14 Pages: 1241-1250

    • DOI

      10.1111/pbi.12489

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Sucrose production mediated by lipid metabolism suppresses physiological interaction of peroxisomes and oil bodies during germination of Arabidopsis thaliana.2016

    • Author(s)
      Cui, S., Hayashi, Y., Otomo, M., Mano, S., Oikawa, K., Hayashi, M. and Nishimura, M.
    • Journal Title

      J. Biol. Chem.

      Volume: 291 Pages: 19734-19745

    • DOI

      10.1074/jbc.M116.748814

    • Peer Reviewed
  • [Book] New challenges in Seed biology - Basic and translational research driving seed technology2016

    • Author(s)
      Masatake Kanai, Shoji Mano, Makoto Hayashi and Mikio Nishimura
    • Total Pages
      201 (138-158)
    • Publisher
      INTECH
  • [Remarks] 長浜バイオ大学 植物環境細胞生化学研究室

    • URL

      http://b-lab.nagahama-i-bio.ac.jp/?page/id=72

URL: 

Published: 2018-01-16  

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