2015 Fiscal Year Research-status Report
生殖機能中枢に対する性ホルモン様環境化学物質の作用機構
Project/Area Number |
15K07132
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
佐藤 友美 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 教授 (40295506)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 視床下部 / キスペプチン / 新生仔 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの知見から、新生仔期に性ホルモンを投与されたメスマウス視床下部は、雄性化すると考えられているが、一方で正常なオス型とも異なる性質(中間型)を持つことが示唆されている。マウス視床下部に対する新生仔期の性ホルモン、環境化学物質の作用メカニズムを理解するために、新生仔期に合成エストロゲンを投与したマウス視床下部からRNAを抽出し、マイクロアレイにより遺伝子発現の変化を網羅的に解析した。2015年度は候補遺伝子の絞り込みを行い、発現パターンを解析中である。今後、候補遺伝子群の発現量の変化をリアルタイムRT-PCR法により確認するため、サンプルの準備を行った。 一方、新生仔期に性ホルモンを投与されたメスマウス視床下部における、キスペプチンの発現変化や経時的変化を調べるため、正常メスおよびオスマウスを用いて視床下部における神経核の同定と、エストロゲン受容体アルファに対する抗体を用いた免疫組織化学染色を行った。その結果、エストロゲン受容体アルファの発現に雌雄差がある神経核を同定することができた。以上の結果はこれまでの報告と同様であり、したがって、組織学的解析を行うための手法、および、免疫組織化学的手法を確立できたと言える。さらに、新生仔期のエストロゲン受容体アルファおよびベータ型ノックアウトマウス、野生型マウスに合成エストロゲンを投与し、サンプル調製を行った。 このように、2015年度は神経核の同定と、サンプル調製等の手法の確立、およびデータ解析を主に行なった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
視床下部神経核の同定、組織学的解析手法の確立に時間がかかり、予定よりもやや遅れている。また、購入予定の抗キスペプチン抗体が製造元のトラブルのため入手できておらず、代替の抗体を探しているがまだ最適製品を見つけることができていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
ノックアウトマウスの解析を行うためには抗体の入手および免疫組織化学的手法の確立が必須であるが、予定が遅れているため、GFP発現をもつ遺伝子導入マウスの購入も検討している。
|
Causes of Carryover |
抗体の製造元トラブルにより目的の消耗品が購入できておらず、またマウスの購入も予定より少なかったため、差額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
別の抗体を探しており、現在、検討中である。またGFP遺伝子導入マウスを用いた研究内容に変更することも検討しており、2016年度にそれらに使用する予定である。
|