2017 Fiscal Year Research-status Report
アミノ酸要求性大腸菌株を用いたアミノ酸ラセマーゼの新規スクリーニング法の構築
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15K07152
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
宇田 幸司 高知大学, 教育研究部自然科学系理学部門, 講師 (10448392)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アミノ酸ラセマーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,動物に存在する新規アミノ酸ラセマーゼの探索とその機能解析を目的として行っている。アミノ酸ラセマーゼはD-アミノ酸をL-アミノ酸からラセミ化反応によって合成する酵素であり,セリンラセマーゼやアスパラギン酸ラセマーゼがこれまでに動物から単離されていた。 本年度は昨年度に引き続き,幾つかの生物に存在するアミノ酸ラセマーゼの候補遺伝子の特定を行った。次いで,アミノ酸ラセマーゼ候補遺伝子が見つかった生物種の生体からmRNAを単離し,cDNA化した後,遺伝子特異的なプライマーを用いて,PCR増幅によってアミノ酸ラセマーゼ候補遺伝子の単離を行った。この方法でアミノ酸ラセマーゼ候補遺伝子の増幅ができなかったもの,または生体の入手が困難であるものについては,アミノ酸ラセマーゼ候補遺伝子の推定アミノ酸配列から大腸菌発現用にコドンを最適化した塩基配列を設計し,人工遺伝子合成によってcDNA配列を得た。得られたアミノ酸ラセマーゼの候補遺伝子はpET30bベクターに組み込み,大腸菌発現系でN末にHis-tagが付加されたリコンビナントタンパク質を合成した。様々な条件検討を行った末,いずれのアミノ酸ラセマーゼ候補遺伝子についても,可溶性のリコンビナントタンパク質を得ることができた。そして,いずれものリコンビナント酵素も幾つかのアミノ酸に対するラセマーゼ活性を示した。また強いセリンデヒドラターゼ活性やスレオニンデヒドラターゼ活性を示すものもあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,昨年度に引き続きアミノ酸ラセマーゼ遺伝子の特定をその機能解析を予定していた。そして,当初予定通りに複数のアミノ酸ラセマーゼ遺伝子の酵素活性確認が行えたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,当初の予定通り,単離されたアミノ酸ラセマーゼの詳細な酵素機能の解析を進める。
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Causes of Carryover |
本年度に購入を予定していた実験試薬の一部を安価なものに置き換えることができたため,支払金額が減少した。 次年度は,酵素機能解析のためのアミノ酸置換変異体の作製数を当初予定よりも増やすことを予定しており,次年度使用額をその費用に充てる。
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