2017 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of the molecular mechanism of AIDS virus evolution
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15K07166
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 佳 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 講師 (10593684)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 適応進化 / HIV / SIV / チンパンジー / ヒト化マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、SIVcpzのヒトへの適応進化過程を再現し、その進化過程を解明することを目的とした。具体的には、 目的1:SIVcpzをヒト化マウスに接種し、SIVcpzの適応進化の過程を再現する。 目的2:顕著な適応進化が確認された時点におけるウイルスの全塩基配列を決定し、適応進化過程で獲得した変異を決定する。 目的3:培養細胞を用いた感染実験を行い、獲得した変異の機能・作用機序を解明する。 の3つを目的とした。培養細胞およびヒト化マウスモデルに、SIVcpzやHIV-1を接種し、ウイルス増殖と病原性をreal-time RT-PCR法とflow cytometry法でそれぞれ評価した。その結果、培養細胞を用いたin vitro実験の結果、各SIVcpzの感染性および各ウイルスタンパク質の機能に差異は確認されなかった。一方、ヒト化マウスモデルを用いたin vivo実験の結果、パンデミックHIV-1に関連のないSIVcpzに比べ、生体内におけるSIVcpz MB897株の増殖性、病原性はパンデミックHIV-1のそれらにきわめて酷似していた。興味深いことに、SIVcpz MB897感染ヒト化マウスにおいて、感染・侵入に重要なウイルスタンパク質gp120に、G413Rの非同義変異がすべてのマウス共通に挿入されていることを見出した。さらに、培養細胞およびヒト化マウスを用いた実験により、このgp120 G413R変異が、in vitro/in vivoにおけるウイルス複製を亢進する“tailor-made adaptation”であることを実証した。
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Research Products
(5 results)