2015 Fiscal Year Research-status Report
シャジクモ藻類の比較ゲノムと遺伝子機能解析から探る植物の多細胞体制進化
Project/Area Number |
15K07185
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
坂山 英俊 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (60391108)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 進化 / 比較ゲノム / シャジクモ藻類 / 植物 / 多細胞体制 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、シャジクモにおいて独自に確立した培養株と概要ゲノムを基礎とし、さらにシャジクモ藻類の発生段階/器官/細胞毎の発生遺伝子の発現パターンを網羅的に抽出し、どの遺伝子が各発生段階/器官/細胞に特異的に発現するのかを解明する。また、シャジクモ藻類の発生遺伝子の機能解析に向けた実験系の確立を進め、標的遺伝子がシャジクモ藻類においてどのような役割を果たしているのかを解明する。 平成27年度は、シャジクモにおける発生遺伝子の発現様式を解析するため、シャジクモの発生段階/器官/細胞毎のトランスクリプトーム解析に向けた実験系の確立とRNA-seq解析を実施した。シャジクモを同調的に培養し、生殖器官形成に着目してシャジクモの生活環を発生段階/器官/細胞毎に11種の条件に分け、各条件の細胞におけるRNA抽出方法を検討し、得られたRNAの蛍光定量とキャピラリー電気泳動を行った。その結果、多糖類が多い生卵器・接合子、地中に伸びる仮根の細胞は多糖類や夾雑物を取り除く処理を必要としたが、すべての条件でトランスクリプトーム解析に十分な質と量のRNAを得ることができた。シャジクモについて条件毎に細胞を集め、3検体ずつ次世代シーケンサー(Illumina)を用いたRNA-seq解析を実施し、6条件についてシーケンシングデータを得た。また、オーストラリアシャジクモ、クレブソルミディウムについても同調的に培養したサンプルを複数の条件に分け、条件毎に細胞を集め、3検体ずつ次世代シーケンサーを用いたRNA-seq解析を実施した。平成27年度中に得られたシャジクモのシーケンシングデータについては、概要ゲノムにマッピングし、遺伝子発現量の定量を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたサンプルについて、トランスクリプトーム解析に十分な質と量のRNAを得ることができ、RNA-seq解析を進めている。平成28年度中にすべてのシーケンシングデータが得られる目途がついており、おおむね順調であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、RNA-seq 解析から得られたデータを用いて、シャジクモの発生遺伝子の発現様式を網羅的に解析する予定である。また、シャジクモの生殖器官形成等に焦点を絞り、関連する遺伝子の特定とその機能解析に向けた実験系の確立も進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
微量RNAサンプルの解析を次年度に実施する可能性があるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
トランスクリプトーム解析、情報解析に使用する予定である。
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[Journal Article] Taxonomy, morphology and genetic variation of Nitella flexilis var. bifurcata (Charales, Characeae) from Japan2015
Author(s)
Sakayama, H., Kai, A, Nishiyama, M., Watanabe, M. M., Kato, S., Ito, M., Nozaki, H. and Kawai, H.
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Journal Title
Phycological Research
Volume: 63
Pages: 159-166
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Evolutional analysis of phosphate transport mechanism in plant cells2016
Author(s)
Fujiwara, H., Sakayama, H., Ohnishi, M., Ishizaki, K., Toyokura, K., Goh, T., Sekimoto, H., Nishiyama, T., Ikegaya, H., Kanno, S., Tezuka, A., Nagano, A. J., Kosuge, K., Fukaki, H. and Mimura, T.
Organizer
日本植物生理学会第57回年会
Place of Presentation
岩手大学(岩手県・盛岡市)
Year and Date
2016-03-19
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