2018 Fiscal Year Annual Research Report
The molecular basis of an alpine-dwarf plant in Yakushima with life history characteristics eqivalent to model organisms
Project/Area Number |
15K07188
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
篠原 渉 香川大学, 教育学部, 准教授 (30467443)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高山性ミニチュア植物 / 適応進化 / QTLマッピング |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒメコナスビは、細胞サイズと細胞数が共に減少するという、世界的にも例をみない葉の小型化メカニズムを有する。そこで本研究ではコナスビ類の遺伝学の解析に優れた生活史特性(世代時間が短い・自殖と他殖が可能・多数の花・多数の種子・不定根からクローンの作製が可能)を生かし、大量シーケンス技術の活用により、屋久島の高山性ミニチュア植物であるヒメコナスビの葉の小型化に関与する遺伝子群を高密度連鎖地図上で特定することを目的としている。このヒメコナスビの特殊な葉の小型化の分子基盤解析から、植物ボディサイズを決定する分子メカニズム解明の糸口を得られる可能性があると考えている。 コナスビとヒメコナスビの交配から37個体のF1を作製し、その自殖から、596個体のF2種子の発芽を得た。これらはもともとの親の種子と同時に発芽させており、このF2と親を含めた共通圃場実験をおこない、形質を測定できるまで十分に育成した。結果としてこのF2集団は、もともとの親であるヒメコナスビよりも小さく育つ個体や、コナスビとヒメコナスビと中間的な大きさを示す個体、親であるヒメコナスビやコナスビと同じようなサイズの個体まで様々な個体が入り混じっていた。これらのF2は共通圃場実験で栽培しており、最初の2ブロックである147個体についてRADシーケンスを行い、連鎖解析をおこなった。今後、これまでに計測された最大葉のサイズ、最大葉の細胞サイズと細胞数、最大茎の長さ、花弁のサイズと花弁の細胞数と細胞サイズについてQTLマッピングが期待できる。また全サンプルを用いた連鎖解析も行う予定である。
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