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2016 Fiscal Year Research-status Report

珪藻の新奇シリカ構造体の形態形成及びその関連遺伝子の解析

Research Project

Project/Area Number 15K07197
Research InstitutionBunkyo University

Principal Investigator

出井 雅彦  文教大学, 教育学部, 教授 (60143624)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 長田 敬五  日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (10147829)
佐藤 晋也  福井県立大学, 海洋生物資源学部, 講師 (80709163)
Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords珪藻 / Hydrosera / 新奇構造体 / 遺伝子 / 殻形成 / 鱗片
Outline of Annual Research Achievements

①研究対象となる珪藻Hydroseraの採集と分離を行った。前年度の最後に沖縄県石垣島から採集した試料からHydoroseraを分離し、株を確立し、殻形態、殻形成、DNA分析用の試料とした。また、沖縄県本島慶佐次川より採集した試料よりTerpsinoeを分離し、DNA分析用の試料とするため、大量培養に着手した。
②Hydrosera各種のスケール形態およびその形成機構を明らかにするため、
次世代シーケンサーを用い33-06株およびAH-10株の全ゲノム配列を取得した。解析にはIllumina HiSeq Xを用い、33-06株より61.7 Gbp(約4千万リード、GC=46.54%、Q30=85.3%)、AH-10株より69.1Gbp(約4千6百万リード、GC=54.32%、Q30=84.0%)の出力が得られた。現在それらのアノテーションおよび比較解析を行っている。またスケール形成関連遺伝子を探索すべく、細胞分裂時における網羅的遺伝子発現情報を得るためRNA-Seq解析も進めている。
③ Hydroseraが被殻直下に形成する鱗片様のシリカ構造体の形成様式を解明するために,Hydrosera stellate,H. triquetra var. triquetra および H. triquetra var. hexaganaの殻形成についてTEM観察を行った。その結果、 H. triquetra var. hexaganaにおける殻形成初期のTEM画像は、殻形成(鱗片様シリカ構造体ではなく殻本体の形成)が細胞質分裂後ではなく分裂の前に開始される可能性があることが分かった。これに対し、近縁種のH. triquetra var. triquetraでは、多くのケイソウ同様,細胞質分裂後に殻形成が進行しているという観察結果を得た。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

28年度の実施計画として以下の5項目を上げていた。
①珪藻Hydroseraの採集と培養株の確立:順調に培養株の確立が進み、大量培養も可能になった。
②透過電子顕微鏡による観察:培養株を用い、固定、包埋、切片と進め、細胞分裂と新奇構造体の形成に関わる時期の観察を行い、新奇構造体の形成に関する新たな知見を得た。
③新奇シリカ構造体の遺伝子探索:その前提となるHydrosera全ゲノム解析を行った。また、比較トランスクリプト-ムにより候補遺伝子のリストアップ:進行中である。
④研究成果の発表:国際珪藻学会(カナダ大会)にて研究の一部である、殻形成に関わる発表を行った。

Strategy for Future Research Activity

最後の年度になり、研究の総仕上げとなるので、研究の最終目標の達成のため、以下の点について集中的に進める。
①新奇シリカ構造体の微細構造については明らかになったが、その形成過程に関する細胞学的観察については、一部不明な部分があり、その点を明らかにする。
②新奇シリカ構造体に関連する遺伝子の特定に努める。Hydroseraの2分類群の全DNAの解読は終了したが、構造体に関連する遺伝子の特定には至っていない。
③遺伝子の特定のため、近縁のTerpsinoeについての全DNA解析を試み、明らかにする。
④研究結果のまとめと発表。研究成果の一部は、29年(2017年)夏の第4回国際分子珪藻会議及び第11回国際藻類学会で発表する予定である。

Causes of Carryover

培養株の確立と大量培養が遅れたため、予定していた次世代シークエンサー受託サービスによる遺伝子解析が回数が少なくなった結果、分析費として用意していた費用が残ったためである。

Expenditure Plan for Carryover Budget

培養株の増殖も進み、遅れていた解析を次世代シークエンサー受託サービスにて行う見通しもつき、繰り越した額も当初の目的のために使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] Valve morphogenesis in a multipolar diatom genus Hydrosera2016

    • Author(s)
      Masahiko, Idei; Keigo, Osada; Shinya, Sato; Tamotsu, Nagumo & David, G. Mann
    • Organizer
      24th International Diatom Symposium 2016 (Quebec City, Canada)
    • Place of Presentation
      カナダ,ケベック
    • Year and Date
      2016-08-21 – 2016-08-26
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2018-01-16  

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