2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K07204
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
海老原 淳 独立行政法人国立科学博物館, 植物研究部, 研究主幹 (20435738)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | シダ植物 / 種形成 / 倍数体 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究を開始するにあたり、最初に既存の日本産全シダ植物のチェックリストを、最近発表された研究成果を反映させながら一部アップデートを行った。その結果694分類群(種・亜種・変種)に整理された。新たなリストに基づき、各分類群の倍数性・生殖様式の情報を文献・染色体データベース等から収集した。さらに、申請者が作成した「アジア産シダ植物学名チェックリスト」を活用して、種概念の異見解にも注意を払いながら、各分類群の分布域に関する情報を整理した。日本産分類群のうち、国内産系統の倍数性・生殖様式について1件以上の報告があるものは約74% であることがわかり、依然として約1/4の分類群は未解析・未解明の状態にあることが明らかになった。本年度はサイトタイプに関する情報のない分類群のうち、7種(リュウキュウキジノオ、ホソバコウシュンシダ、サツマハチジョウシダ、ヤクシマハチジョウシダ、ツクシヤワラシダ、タイワンハシゴシダ、コウラボシ)と2雑種について、初めて倍数性と生殖様式を明らかにした。他にコハチジョウシダ、タイワンハリガネワラビ、ミョウギシダについて新たなサイトタイプを見出した。DNA解析のための材料収集を行い、ヒメシダ科ハシゴシダ類、メシダ科オオヒメワラビ類、コケシノブ科アオホラゴケ類などが収集された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
情報収集は極めて順調に進められ、材料収集も概ね予定通りであった。分子系統解析については、実験補助者の確保の遅れにより、一部が翌年度に持ち越されたが、新年度の早い時期に完了する見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き研究協力者らとの連携を緊密に保って、研究材料の効果的な収集を進める。国内外で進行している研究について情報収集・交換を図ることで、材料の重複を避けて、効率的な研究を目指す。
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Causes of Carryover |
DNA実験に関する作業補助者の確保が遅れたため。また、別プロジェクトの最終年度にあたり、予定された一部の野外調査が年度内に実施できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
DNA実験に関する作業についは、既に人員の確保は済んでおり、翌年度の早い時期(4月から6月)に予定の解析が完了する見込みである。野外調査については、今年度実施できなかった分も含めて翌年度前半に全て実施できる見込みが立っている。
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Remarks |
Green List Japanはシダ植物部分を申請者が主担当。
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Research Products
(3 results)