2017 Fiscal Year Annual Research Report
Existential reason of human handedness examined from tool-use during grasping tasks
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15K07244
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
青木 朋子 熊本県立大学, 環境共生学部, 准教授 (50433412)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 手 / 指 / 利き手 / 道具 / 動作解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
健常な右利き若年者6名を対象に、道具(箸)あるいは指によって、3軸フォースセンサーを配備した物体を把握し、側面から正面にあるターゲットまで移動させる課題を右手、左手それぞれで実施した。3次元モーション計測システムを用いて、ターゲット(2点)、課題時の物体(2点)、母指指先と各関節(3点)、示指指先と各関節(4点)のマーカー位置を測定した。その結果、箸あるいは指が物体に接触してから物体がターゲットに置かれるまでの所要時間は、箸の方が指に比べて遅いことが明らかとなった。特に、箸の条件では、非利き手でで課題を行った方が利き手に比べて所要時間が長いこともわかった。さらに、箸・指、利き手・非利き手のいずれの場合にもターゲットが小さい場合の方が大きい場合に比べて所要時間が長かった。物体把握時の最大把握力は、箸・指、利き手・非利 き手、ターゲット大・小のいずれにおいても大きな違いは見られず、どの条件でも適切な力調節ができていることが推察できた。物体、母指指先、示指指先の上下方向の座標から躍度を算出したが、箸・指、利き手・非利き手、ターゲット大・小のいずれの条件においても大きな違いは見られず、今後、前後方向や左右方向も調べる等、さらなる検討が必要がある。物体の置かれた位置は、箸に比べて指、非利き手に比べて利き手、ターゲット大に比べてターゲット小の方が正確であった。母指と示指の各関節の位置情報の解析も試みたが、特に、箸の条件では箸によって指のマーカーが隠れてしまうこと等があり、今後、実験方法や解析方法をさらに工夫する必要がある。また、右手と左手の浅指屈筋と総指伸筋の表面筋電図を測定したが、それぞれの筋の活動量は箸・指、利き手・非利き手、ターゲット大・小の条件で大きな違いは見られなかった。今後はこれらの筋のうち、課題に使用する指に対応する位置をさらに正確に調べ、電極を貼る等の対策が必要である。
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