2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of cracked grains and application for rice breeding by whole genome sequence data
Project/Area Number |
15K07251
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
石川 隆二 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (90202978)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 胴割れ / 選抜マーカー / QTL解析 / 耐性育種 / 細粒遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,東北においてもイネ開花直後の高温による穀粒被害(胴割れ粒)が発生しており,2012年には多大な被害を生じた.このように北日本では低温が懸念されつつも,一過的な夏の高温が想定される.青森県良食味米品種には高温耐性がなかったが‘恋ほのか’が青森県において育成され,高度の胴割れ耐性を示すことが明らかとなった.この胴割れ耐性遺伝子を良食味品種である‘まっしぐら’に効率よく導入するために胴割れ耐性原因遺伝子の特定を行う.また,中間母本系統が育成されているために収量試験とともに,栽培特性を評価し改良品種として確立する.選抜マーカーの確立は戻し交雑による耐性遺伝子のみの導入や他の品種育成に活用できることを目的とした. 本研究では対象とする胴割れ耐性が粒径と連鎖しているため組換え型も分離することが予測された.しかし.耐性QTLの1つはあまりに近接しているため分離を示さず,それ以外のQTLについて選抜し,戻し交雑系統を作出した.既に利用している’まっしぐら’x’恋ほのか’の180系統RIL以外に戻し交雑後代を実験に供試することで精度を高める.BC2F1まで育成したが,より実用性の高い非細粒系の選抜後代20T からゲノム情報を取得して中程度耐性に関与する領域推定を行った.その結果,新たに第2と第10染色体の耐性領域が見出された.RILで推定していた領域のうち,第5染色体は細粒性と組換えが生じなかったが,香り遺伝子と連鎖していた第8染色体の下流は組換えを生じたため非香りと耐性を兼ね合わせた系統が得られた.その実用化と分離系統作出のために20T xまっしぐら(BC1F1相当)から,耐性ならびにその他の農業形質として多収性・適度な桿長を持った系統を選抜することができた.これらは高い収量とと低温耐性を持つ分離個体を選抜できたため,今後のイネ育種材料として活用することとなった.
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Research Products
(3 results)