2016 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of a utilization system to paddy rice culture of common reed as silicic acid resources harmonized with environment preserve and maintenance
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15K07270
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
森 静香 山形大学, 農学部, 准教授 (30504302)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 水稲 / ケイ酸 / 環境保全 |
Outline of Annual Research Achievements |
試験器レベルで可溶性ケイ酸濃度が高いいくつかの燃焼条件で得たそれぞれのヨシ灰について、同量の可給態ケイ酸量になるように施用量を設定し、水稲育苗試験を行った。すべてのヨシ灰において、燃焼条件が多少異なっていても、水稲苗に吸収されるヨシ灰由来のケイ酸はほぼ同等であった。リン酸、カリウム等は施用量をケイ酸に合わせているため燃焼条件によって施用量が異なっており、施用量が多いものほど吸収量が多い傾向であった。 山形県庄内地方の範囲内での最上川流域のヨシの染色体調査において、比較基準の提供が10月以降であったため、葉身の採取が困難となり、わずかな分析点数でフローサイトメトリにより分析を行い、地点により倍数性の違いがみられた。予定していた多地点数での分析を今後行う必要がある。また、各河川域の土壌養分量は、河川工事等による人工物の混入と思われる測定値もみられ、それを考慮した解析が必要である。生育量、養分吸収量は分析が遅れており、それらの結果を待って各流域の資源評価を行う必要がある。 上記の流域の各土壌を充填したポットに同一のヨシ苗を定植し、生育量を確認したところ、草丈・茎数・葉数などの生育はほとんど差がなかった。養分吸収量については分析中であるため、その結果と共に今後考察する必要がある。 刈取時期別の生育量、乾物重、養分吸収量について、前年度に各時期反復区を増やして事前に刈り取っていた試験区が撹乱処理の対照区域に入ってしまい、調査区として使用することができなかったため、調査を実施できず、再度他区域に調査区を設定した(今年度の各時期に刈取り処理を行った)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
河川流域のヨシについての調査・分析、都沢湿地での刈取時期別の生育量の解析が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
1.ヨシのケイ酸資材化と施用技術の確立について、試験器(20L)と大きさがほぼ同じである商品が完成したため、その器械でのケイ酸資材化のためのヨシ燃焼実験、既に販売されている200Lの大型器械での燃焼実験を行い、器械のサイズに関わらず汎用性のある燃焼条件を検討する。また、育苗試験だけでなく、本田での施用試験も行い、育苗だけでなく本田での施用技術確立にむけて検討する。 2.ヨシのケイ酸資源評価と資源マップの作成について、引き続き、遅れている分析を行い、染色体数を調査し、資源評価を行う。また、各流域の土壌を用いた同一ヨシ苗でのポット栽培試験の養分吸収量の分析が遅れているため、引き続き分析を行い、各流域土壌がヨシの生育に与える影響度について解析を行う。 3.ケイ酸資源性、環境保全・維持を考慮した刈取法の確立について、前年に時期別刈取り処理を行った調査区について、生育量、養分吸収量等の調査・分析を行う。
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