2018 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of a utilization system to paddy rice culture of common reed as silicic acid resources harmonized with environment preserve and maintenance
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15K07270
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
森 静香 山形大学, 農学部, 准教授 (30504302)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 水稲 / ケイ酸 / 環境保全 |
Outline of Annual Research Achievements |
燃焼灰作成器の新型小型器(容量20L程度)と大型器(容量200L程度)について、ヨシ、稲わら、籾がら、ススキの燃焼灰作成試験を行った。植物体中の炭素量が多い、もしくは表面積が広いものほど燃焼時間がかかる傾向であった。しかし、各作物の裁断方法、燃焼時間が異なっても、最も多い可溶性ケイ酸の燃焼灰を得られる作成器の設定は同じ条件であることが明らかとなった。 ヨシ、稲わら、籾がら、ススキの燃焼灰を用いて、育苗時施用試験と水田での基肥施用試験を行った。育苗試験では、各燃焼灰ごとに施用した可給態ケイ酸量が同じでも苗のケイ酸吸収量が異なり、育苗時期が違ってもその傾向は同様であった。また、施用量が多くなってもケイ酸吸収量が増加しない燃焼灰があった。各作物の特性を考慮した育苗施用法については明らかになったが、特性の違いには燃焼灰中のケイ酸成分の形態や他成分との構造関連性、水稲側の反応など様々な違いが影響していると推測され、解析困難と考えられる。水田での試験では、シリカゲル肥料と比較したところ、燃焼灰の側条施用で水稲の生育の向上、ケイ酸吸収量の向上がみられた。次年度以降も比較肥料の種類を増やし、年次確認のため同様の試験を行うと共に、生育向上要因を解明する必要がある。 昨年度得られた最上川、赤川流域のヨシ、土壌データについての解析と資源マップ化を行った。引き続き次年度以降も行い、完成する予定である。 刈取時期別の生育量、乾物重、養分吸収量については、前年の刈取り時期が遅いほど、多くなる傾向であった。このことと、燃焼処理には水分を低下させる必要もあることから、成熟期以降の刈取りが適すると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究において、新型作成器での各作物の燃焼方法を確立し、最適な刈り取り時期も明らかにした。育苗や水田での施用技術、資源マップ化においても確立段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
1.育苗施用での発芽期の温度の違いが根上がりに及ぼす影響の確認と、ケイ酸形態の異なる既製の各ケイ酸肥料と燃焼灰との水田施用の比較試験を行う。 2.引き続きヨシのケイ酸資源マップ作成を行う。ヨシだけでなく稲わら、籾がらについても各水田土壌の条件ごとにケイ酸資源の目安として提示できるか引き続き検討する。
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Causes of Carryover |
今年度の予算内で研究計画を進めることができたため。また、次年度は今年度より予算額が少なく、燃焼灰の構造解析の依頼分析費用が高額になることが予想されるため、今年度残額はその費用の一部として予算執行の予定である。
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Research Products
(1 results)