2017 Fiscal Year Annual Research Report
RNA sequence analysis of flower induction mechanisms by gibberellins in Phalaenopsis
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15K07300
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
窪田 聡 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (60328705)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ファレノプシス / 花成誘導 / ジベレリン / FT |
Outline of Annual Research Achievements |
本年は低温処理期による腋芽の内生GA量とFT遺伝子の発現の変化を調査した。ファレノプシスを平均気温約20℃のガラス温室内で低温処理した。低温処理開始時から毎週1回,計10回サンプリングを行った。サンプリングは頂部から数えて第4節の腋芽を対象とした。GAは常法により抽出し,UPLC/MS/MSにて定量した。FT発現解析用サンプルは,一昨年に作成したFT解析用プライマーを用いてRT-qPCR解析を行った。 腋芽は低温処理開始4週後に集中して発生した。GA53は4週目にピークに達し,その後減少した。GA19は5週目に頂点に達し,その後減少した。GA20は全体的に量が少なかったが,全体的にみると増加傾向であった。GA1は5週目にはピークを迎えた。昨年の結果ではGA生合成遺伝子であるPhGA20ox1-2の顕著な増加を観察している。今回の内生GAの定量結果においてはGA20oxが触媒するGA20とGA19の内,特にGA19はGA20oxの発現量の増加とほぼ一致する傾向が見られた。一方,低温処理開始時からGA53の内生量が高まっていることから,GA20oxよりも更に上流域にあるent-カウレン酸化酵素,ent-カウレン合成酵素等の遺伝子の活性が大きく変化している可能性が示唆された。 FTの発現量は,低温処理開始2週間後には4倍にまで増加した。しかし,反復間のバラツキが大きく有意な差は見られなかった。一昨年の実験では頂芽に対するGA投与実験では頂芽のFTはGA投与直後から著しく高くなったが,本年の腋芽ではGA内生量の増加に伴うFTの顕著な発現量の増加は見られなかった。ファレノプシスのFTには5つのホモログが存在している。今回の実験では茎頂にGAを投与すると発現が高まるFTを対象にして腋芽における発現量を調査したが,腋芽においてはそれ以外のFTが花成に関係している可能性が考えられた。
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