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2015 Fiscal Year Research-status Report

メタゲノム解析に基づく菌類ウイルス叢の解明と有効利用に関する研究

Research Project

Project/Area Number 15K07312
Research InstitutionOkayama University

Principal Investigator

近藤 秀樹  岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (40263628)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 鈴木 信弘  岡山大学, 資源植物科学研究所, 教授 (70206514)
Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords菌類 / ウイルス / メタゲノム解析 / 次世代シークエンサー / 絶対寄生菌 / うどんこ病菌 / クローバー / トティウイルス
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、次世代シークエンサー(NGS)による網羅解析により、植物病原糸状菌に感染する菌類ウイルス叢の一端を解明することを目的としている。特に研究が遅れている絶対寄生菌のウイルスに注目し、分離菌系統や特定のフィールド単位で菌類ウイルスの探索を行い、新奇ウイルスのリファレンス配列の取得と多様性の理解を目指している。

本年度の主な実績は以下の通り。【課題1】-次世代シークエンサーによる絶対寄生菌のウイルス叢の解読:岡山大植物研圃場で発生するクローバーうどんこ病菌の菌体を回収し、そのdsRNA画分をNGS解析に供した。【課題2】-うどんこ病菌ウイルスの性状解析:課題1で取得したクローバーうどんこ病菌のウイルス様配列データのうち、優占種と考えられるトティウイルス(CPとRdRp遺伝子をコードする単一のdsRNAゲノムをもつ)に関して詳細な解析を行った。その結果、クローバーうどんこ病菌の圃場サンプルには少なくとも9種の新規トティウイルス種由来のコンティグ(4.2-6.0kbp)の存在が確認され、そのうち5種については完全長のゲノム配列を解読した。【課題3】-菌類核ゲノムを用いたウイルス化石配列の探索:課題2のクローバーうどんこ病菌由来のトティウイルスをクエリとし、NCBIサイトでBLAST検索を行った。その結果、酵母ゲノムに存在する既知のウイルス様配列以外に、海草ゲノム上にもトティウイルス様配列の存在を確認した。さらに、菌類、植物や昆虫類の転写物(TSA)データベースから、複数のトティウイルス様配列が見いだされた。

トティウイルスはこれまで主に酵母やごく一部の植物病原菌類でのみ知られていた。しかし、本研究で一圃場由来のうどんこ病菌試料から、既知の配列多様性を凌駕するトティウイルス群が見いだされた。あわせて、トティウイルスが多様な宿主に感染している(していた)可能性を示唆した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の計画に従い、圃場由来の絶対寄生菌(うどんこ病菌)の次世代シーケンサー解析によるウイルス叢の解読を進め、多様なトティウイルス群の存在を明らかにした。さらに、次年度の計画を前倒しして、それらトティウイルスの特徴付け(全長ゲノム配列の決定や分子系統解析)を行った。得られた成果の一部は、ウイルス専門誌に掲載される予定である。なお、本年度は圃場由来のクローバーうどんこ病菌のトティウイルスの配列解析を優先したため、クローバーうどんこ病菌単離系統を用いたウイルスのNGS解析は次年度に行うこととした。

Strategy for Future Research Activity

当初の計画どおり、エンドウのうどんこ病菌系統のdsRNAを鋳型としてNGS解析によりそのウイルス叢を解明する。さらに、前年度から変更した圃場より単離したクローバーうどんこ病菌系統のNGS解析も併せて行う。特に、これまでの解析によりうどんこ病菌にはトティウイルス群以外にも新規ウイルス種の存在も示唆されている。そこで、それらのウイルスの特徴付け(全長ゲノム配列の決定や分子系統解析)を進める予定である。さらに、うどんこ病菌のトティウイルスについては、粒子の精製方法を検討し、異種モデル宿主系(クリ胴枯病菌)への導入実験を進める予定である。

Causes of Carryover

圃場で採取したクローバーうどんこ病菌で多様なトティウイルスの存在が確認されたため、初年度はそれらのゲノム全長配列の決定と系統解析を前倒しで進めることとし、さらにそれらデータの論文化を最優先とした。そのため、当初予定していたクローバーうどんこ病菌単離株の次世代シークエンス(NGS)解析は、次年度に変更した。その結果、NGS解析の予算も次年度に繰り越すこととなった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

持ち越した予算(400千円)は、クローバーうどんこ病菌単離株の配列解析の受託経費として執行する予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2016 2015 Other

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Acknowledgement Compliant: 2 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Sequence and phylogenetic analyses of novel totivirus-like double-stranded RNAs from field-collected powdery mildew fungi2016

    • Author(s)
      Kondo, H., Hisano, S., Chiba, S., Maruyama K, Andika IB, Toyoda, K., Fujimori, F. and Suzuki, N.
    • Journal Title

      Virus Research

      Volume: 213 Pages: 353-364

    • DOI

      10.1016/j.virusres.2015.11.015

    • Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
  • [Journal Article] A capsidless ssRNA virus hosted by an unrelated dsRNA virus2016

    • Author(s)
      Zhang, R., Hisano, S., Tani, A., Kondo, H., Kanematsu, S., and Suzuki, N.
    • Journal Title

      Nature Nicrobiology

      Volume: 1 Pages: 15001

    • DOI

      10.1038/nmicrobiol.2015.1

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 宿主ゲノム上に存在する RNA ウイルス感染記録を紐解く2015

    • Author(s)
      近藤秀樹・千葉壮太郎・鈴木信弘
    • Journal Title

      植物感染生理談話会論文集

      Volume: 50 Pages: 133-142

    • Acknowledgement Compliant
  • [Remarks] 岡山大学資源植物科学研究所 植物・微生物相互作用グループ

    • URL

      http://www.rib.okayama-u.ac.jp/pmi/index-j.html

URL: 

Published: 2017-01-06  

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