2016 Fiscal Year Research-status Report
出芽酵母のearly , lateゴルジ槽と細胞質膜へ膜蛋白質が局在化される機構
Project/Area Number |
15K07354
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野田 陽一 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (90282699)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 酵母 / 小胞輸送 / ゴルジ体 |
Outline of Annual Research Achievements |
出芽酵母のearly , lateゴルジ槽と細胞質膜へ膜蛋白質が局在化される機構を明らかとするために,本研究ではゴルジ体に局在するII型の膜蛋白質であり,N糖鎖,O糖鎖付加に関わるマンノース転移酵素や,細胞質膜で機能する膜貫通型蛋白質を対象として実験を行っている.それらの局在化機構に関して可能な限り網羅的に調べるために,今までにタグの付加による観察をしていなかったマンノース転移酵素Mnt2, Mnt3にタグを付加し,当研究室で開発した免疫学的な手法によりゴルジ体early槽,late槽を単離するサブコンパートメント方や,共免疫沈降法により,ゴルジ体における分布や,結合する可能性のある蛋白質の探索を行った.その結果,Mnt2-3HAとMnt3-3HA共にearly Golgiに約7割、late Golgiに約3割存在することが明らかとなった.またそれぞれのマンノース転移酵素と共免疫沈降する蛋白質として,Mnt2について,113 kDa、98 kDa、76 kDaの三つの蛋白質,Mnt3については127 kDa、111 kDa、90 kDa、87 kDaの四つの蛋白質を検出した.現在質量分析により,それらの蛋白質の同定を試みている.ERからの候補搬出アダプター膜蛋白質をコードする遺伝子の多重遺伝子欠損株を活用することにより,細胞質膜のGas1のER搬出を担うErv25の局在化機構に関する新たな知見を得た.引き続き詳細な機構の解明を目指した解析を進めている.また細胞質膜に向かうII型膜蛋白質に関して,ゴルジ体に局在する同じトポロジーを持った蛋白質や,GFP蛋白質とのキメラを発現し,どの領域,アミノ酸配列がlate Golgi体から細胞質膜への特異的な輸送に関わるのか,またその過程に関与する細胞の因子を探索を開始した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画にほぼ沿った形で進めることができ,次年度の研究に必要な酵母菌株やプラスミドなどの試薬の準備を行い,それらを用いた解析に着手した.また結合蛋白質探索のための共免疫沈降実験の系をさらに改良し,より特異的な結合の同定が可能になった.それにより,Mnt2, Mnt3と相互作用する可能性のある蛋白質の検出も行った.
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Strategy for Future Research Activity |
Mnt2, Mnt3と共免疫沈降する蛋白質の同定を行う.昨年度に見出した,Erv25のER-Golgi体局在化機構の詳細を明らかにする.細胞質膜へ向かう蛋白質に関しても相互作用する蛋白質の探索や,局在に関与する領域の同定を行う.
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