2015 Fiscal Year Research-status Report
細胞質分裂進行を制御する酵母リン脂質代謝酵素の機能解析
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15K07364
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
玉置 尚徳 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 教授 (20212045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二神 泰基 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 准教授 (60512027)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 細胞質分裂 / 分裂酵母 / 脂質分解酵素 / デグロン |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らによる先行研究結果から、plg7遺伝子の破壊は細胞質分裂不全により細胞内に複数の隔壁を有する形で致死となる可能性が示された。そこで、生細胞が死に至る過程を詳細に観察する目的で、改良型デグロンシステムを用いて条件致死変異株の作成を行うこととした。デグロンシステムとは、植物ホルモンであるオーキシンによって植物細胞において活性化されるタンパク質分解機構を酵母に適用した方法であり、標的とするタンパク質に分解標識(デグロン)を付加することでオーキシン依存的にユビキチン化され短時間に分解されるシステムである (Nature Methods, 6, 917, 2009)。改良型デグロンシステムでは、さらにチアミンの添加によって転写をシャットダウンできるnmt81プロモーターを用いている (BMC Cell Biology, 12:8, 2011)。27年度にはplg7を標的とした改良型デグロンシステムの構築を行っている。本デグロンシステムの評価は現在進行中であるが、本システムによってplg7の細胞内量をコントロールできるようになることで、細胞質分裂と脂質分解酵素とのこれまでに知られていない関連性が明らかになるものと考える。本研究においては、脂質分解酵素であるplg7の細胞内における基質の同定に関しても視野に入れて計画を立てている。その場合、構築しているデグロン株を用いることで、plg7の有無と連関して変動する細胞内脂質を同定することで基質同定の糸口がつかめるものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、分裂酵母においてplg7のデグロン株の構築と機能解析を目的としていたが、plg7デグロン株の構築において問題が生じた。通常は、染色体上のplg7をplg7-デグロンと相同組み換えによって入れ換えることで構築するが、このようにして構築した株においては、全てplg7-デグロン以外にもとのplg7が転座により染色体上の他の位置に存在していることが明らかとなった。このことは、重要な必須遺伝子においてしばしば認められる現象である。そのため、新たに2倍体を用いて2つあるplg7遺伝子の片方をplg7-デグロンと置き換えた後、胞子を形成させ、1倍体の中でplg7-デグロンのみを有する株の取得をめざす。
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Strategy for Future Research Activity |
plg7-デグロン株の構築において、当初の方法を修正する必要がでてきたため、若干の遅延が生じているが、plg7-デグロン株の構築に成功することによってplg7の細胞質分裂における機能がより詳細に明らかにできるものと考えている。また、plg7-デグロンを用いることで、細胞内におけるplg7の基質の同定を行うことができ、さらにはplg7の酵素反応と細胞質分裂の関連を解明する糸口をつかめるものと考える。
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Research Products
(1 results)