Outline of Annual Research Achievements |
・本研究で仮説とした、転写後レベルでのNab6p-Pap1p複合体と3'-UTRに存在するcis配列GUUCG/Uの結合をハブとする遺伝子発現制御ネットワークを解明するために、DNAマイクロアレイ実験を実施した。この実験を行うことにより、NAB6遺伝子及びPAP1遺伝子の過剰発現によってmRNA発現量が増加する遺伝子、NAB6遺伝子の破壊によってmRNA発現量が増加する遺伝子、及び、この制御ネットワークと関わりが深いと考えられる細胞壁合成に関わる酵素、1, 3-beta-D-glucan synthase合成阻害剤caspofunginの添加によってmRNA発現量が増加する遺伝子を明らかにした。 ・NAB6遺伝子の過剰発現により発現量が2倍以上増加する遺伝子は16種類(VEL1, YOR387C, YOR338W, RAD51, YJL045W, GCV1, MHT1, PHO89, YGR079W, OPT1, YBR285W, TMA10, SSA4, FIT2, MET2, PIR3)検出された。PAP1遺伝子の過剰発現により発現量が増加する遺伝子は14種類(VEL1, YOR387C, SFC1, YMR013W-A, YOR072W-B, YKR075C, YGR079W, YOR338W, GCV1, YBR285W, YLR154C-H, ADH7, TMA10, YJL160C)検出された。NAB6遺伝子とPAP1遺伝子の同時過剰発現により発現量が増加する遺伝子は16種類(VEL1, YJL045W, GAC1, HSP26, GIT1, GPH1, PHO5, YNR034W-A, YOR387C, PIR3, BAG7, ISF1, DDR2, YNL194C, HXT7, GPG1)検出された。NAB6遺伝子の破壊により発現量が増加する遺伝子は6種類(VEL1, YOR387C, MND1, J01347-1, TPO3, YPL038W-A)検出された。 ・Caspofunginが200 ng/mL存在する培養条件で発現量が増加する遺伝子は105種類検出された。
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