2017 Fiscal Year Research-status Report
幅広いバクテリア種で汎用性のあるゲノム編集技術の開発
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15K07402
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Research Institution | Osaka Research Institute of Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
駒 大輔 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 研究主任 (80443547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 重光 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 生物・生活材料研究部, 研究員 (20509822)
森芳 邦彦 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 環境技術研究部, 研究主任 (30416367)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 染色体 / プラスミド / プロモーター / 相同組換え |
Outline of Annual Research Achievements |
・T7RNAポリメラーゼ/T7プロモーター(T7発現系)を利用することで、低活性なプロモーターを用いた発現系を、超高発現な系へと変更できることを実証した。具体的には、構成的プロモーターであるTyrRプロモーターのみを使用した場合と比較して、T7発現系を介した場合では、100倍以上高い構成的高発現系を構築できることを実験的に証明した(この特性を生かしたプラスミドフリーな組み換え系を構築する)。 ・Red recombinaseのシステムを用いたプラスミドフリーな組換え系の構築と比較するために、CRISPR/Cas9のシステムを用いたプラスミドフリー系の構築を試みた。GFPを構成的に高発現する大腸菌を作製し、CRISPR/Cas9の系を用いてGFPに由来する蛍光を発しない大腸菌をどのような効率で作製できるか検討した。しかしながら、抗生物質耐性でスクリーニングするRed recombinaseの系に比べて、特別な選択圧をかけないCRISPR/Cas9の系では、目的菌株の取得効率は極めて低かった(現在、さらに効率を上げるための検討を行っている)。 ・Red recombinaseのプラスミドフリーな組換え系を大腸菌以外に適用するために、T7RP遺伝子のプロモーター領域を任意に設計できるようなシステムへと改変した。具体的には、非プラスミド型の環状DNA上のT7RP遺伝子の上流に、PCR増幅した任意のDNA配列をGibson assemblyなどで挿入できるようにした。これにより、遺伝子組み換えの対象となるバクテリアに併せて、T7RP遺伝子を発現するためのプロモーターを最適化できるようになった。現在、このプロモーター領域を種々改良し、大腸菌以外の菌株に対する染色体への遺伝子導入を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CRISPR/Cas9の実験系が思ったよりも機能しなかったため、研究に若干の遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
Red recombinationのプラスミドフリー相同組換え系を用いて、プロモーターの領域をさまざまに変えながら、大腸菌以外のバクテリアについて、プラスミドフリーで相同組換えを誘発することが可能か検証する。
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Causes of Carryover |
現在、科研費の成果に基づいて論文を投稿している最中であるが、今年度までに受理されていないため(現在、リバイスの最中である)、受理された際には掲載料として計上する予定である。
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