2015 Fiscal Year Research-status Report
イネのモミラクトン排出輸送体の探索と排出活性調節機構に関する研究
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15K07404
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
豊増 知伸 山形大学, 農学部, 教授 (60272085)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | モミラクトン / 排出輸送体 / 病害抵抗性 / アレロパシー / イネ |
Outline of Annual Research Achievements |
イネOryza sativaが生産するフィトアレキシンでもありアレロパシー物質でもあるモミラクトンについては、生合成遺伝子は解明されたものの、排出に関しては分子レベルの情報もなく、その排出活性制御についても知見はこれまでない。そこで本研究では、モミラクトンの排出輸送体のcDNAクローニングと活性調節機構を解明することを目的として以下を行った。(1)モミラクトン排出輸送体遺伝子の機能同定・特徴付け:既に選抜していた2種のABC輸送体ファミリーの遺伝子について、約4.5 kbpの全長cDNAクローニングに成功した。さらにそれらのcDNAをシロイヌナズナに導入し、T3世代まで得ることができた。(2)モミラクトン生合成・排出変異体の取得と特徴付け:生合成遺伝子OsKSL4についてTosミュータントパネルからPCRスクリーニングした。zプールの二次スクリーニングまでは目的シグナルを確認できたが、xyプールの三次スクリーニングでは見失った。そこで、周辺のラインについても検討したが、再発見することはできなかった。(3)目的輸送体活性の14-3-3による制御モデルの提唱:目的タンパク質における14-3-3結合モチーフ様配列を含むペプチドを用いて、大腸菌発現組換えタンパク質を用いてプルダウンアッセイ、酵母2-ハイブリッドアッセイを用いて検討したが、推定モチーフ配列と14-3-3との相互作用は検出できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
目的遺伝子を組み込んだシロイヌナズナについて、ようやくT3世代種子を得られたところなので、これを用いたモミラクトン耐性試験、排出量測定などの実験まで到達できなかった。さらに、生合成変異体(OsKSL4変異体)について、不幸なことにスクリーニング途中で見失った。目的タンパク質と14-3-3結合実験も期待した結果を示していない。
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Strategy for Future Research Activity |
目的遺伝子の機能解析を行うとともに、2種の候補遺伝子が目的遺伝子でなかったときに備え、別のスクリーニングも行っていく。変異体については、Tosミュータントパネルだけではなく、ゲノム編集も試みる。14-3-3結合実験については、酵母3-ハイブリッドアッセイにより、1分子内の2箇所の結合モチーフをあわせて14-3-3との結合を検討することも視野に入れる。
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