2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the action mechanism of the insect-selective peptide toxin LaIT1 isolated from the Liocheles australasiae scorpion venom
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15K07412
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮下 正弘 京都大学, 農学研究科, 准教授 (80324664)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 殺虫性ペプチド / サソリ毒 / 光親和性標識 / 電気泳動 / 質量分析 / ビオチン |
Outline of Annual Research Achievements |
LaIT1はヤエヤマサソリ毒液から単離された昆虫選択的ペプチド毒素である。LaIT1は昆虫特異的毒性を示すことから、それ自体が生物農薬として重要であるだけでなく、その作用機構研究から得られる情報は、新たな農薬の開発にとって有用である。これまでの研究において、昆虫において特異的に結合するタンパク質の検出を目的として、光親和性標識ならびに放射性同位体元素を導入したLaIT1を合成した。これを用いることによって、カイコ中枢神経由来の細胞膜画分に特異的に結合するタンパク質が存在することを明らかにしたが、その同定までには至らなかった。そこで本年度の研究では、この結合タンパク質の単離・濃縮を目的として、光親和性標識したLaIT1にさらに濃縮用タグ分子を導入した類縁体の合成をおこなった。LaIT1に光親和性標識および濃縮用タグ分子としてビオチン基をもつアミノ酸をそれぞれ導入したところ、この類縁体は野生型の1/5程度ではあるが顕著な殺虫活性を示すことが分かった。この標識類縁体を用いてLaIT1と特異的に結合するタンパク質の濃縮およびその検出を試みたところ、SDS-PAGE分析によって特異的結合を示すタンパク質が1種類確認された。検出された分子量は、これまでの実験結果と矛盾しないことから、ビオチン基導入後も野生型と同じ作用を持つことが確認できた。このタンパク質を含むバンドをゲルから切り出して酵素消化し、質量分析計を用いたタンパク質の同定を試みた。その結果、いくつかのタンパク質が候補分子として見つかり、結合タンパク質がこの中に含まれる可能性が高いこと分かった。候補として得られたタンパク質は、これまでにサソリ毒の作用標的として報告されていないことから、LaIT1は新しい作用機構を持つ殺虫性ペプチドであることが示唆された。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Isolation, structural identification and biological characterization of two conopeptides from the Conus pennaceus venom2017
Author(s)
Abdel-Wahab, M. Miyashita, M. Ota, Y. Juichi, H. Okabe, R. Sarhan, M. Fouda, M. Abdel-Rahman, M. Saber, S. Nakagawa, Y.
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Journal Title
Biosci. Biotechnol. Biochem.
Volume: 81
Pages: 1879-1882
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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