2017 Fiscal Year Research-status Report
抗疲労・抗ストレスに有効な日本食デザインのための基盤構築
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15K07447
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| Research Institution | Ryukoku University |
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Principal Investigator |
山崎 英恵 龍谷大学, 農学部, 准教授 (70447895)
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2015-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 自律神経活動 / 日本食 / 抗疲労 / ストレス |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、心身ともに健康で質の高い生活を送るための日本食デザインのための基盤データ収集と解析を目的としている。平成29年度は、近赤外吸収装置を用いた唾液腺周辺血流量測定により、食品に対する嗜好性を客観的に解析した。また、主観的な気分状態と心拍変動パワースペクトル解析による自律神経活動の関連性に着目し、様々な日本食材の喫食による精神的効果についても検証を継続している。気分状態の評価にはこれまでに心理学的な分野の手法をもとに確立した気分シート（アンケート）による主観的な気分状態の評価法を用いた。
平成28年度から継続して実験してきた合わせ出汁摂取による自律神経活動変化については、出汁の単回摂取および香気吸入のいずれも心拍数低下と副交感神経活動の一過性上昇が認めらることを確認した。さらに、出汁の単回摂取により、計算タスク後のフリッカー値低下が抑制され、VASの結果より主観的な疲労度も軽減されていることが示された。これらの結果から、出汁の摂取は副交感神経活動を上昇させる作用を介して、リラックスと抗疲労の効果を誘起する可能性が示唆され、その作用における香気成分の重要性が示された。この成果は日本栄養食糧学会誌に投稿し掲載された。続いて、昆布出汁、合わせ出汁、鰹出汁をそれぞれ摂取した時の耳下腺部位の活動とVisual Analog Sale（VAS）による同時評価を実施し、唾液腺活動と総合的な嗜好性の相関を検討した。また、29年度に実施してきた料理の種類による自律神経活動の違いについては、30年度に引き続き検討予定である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画していたメインの実験項目である自律神経活動、アンケート調査については、概ね予定通り順調に進められてきたが、平成29年度に予定していた全身のエネルギー代謝と胃腸の消化活動評価において、計画していた実験が予定より遅れた。この理由として、一つには、被験者の人数が予想よりも集められなかったこと、もう一つには、胃腸の消化活動を測定する予定であった機器の経年劣化とPCによる分析部分の改善が必要となったことがあげられる。現在、機器の調整中であるが、使用不可の可能性も含めて、代替案を立て、実験を完了させたい。
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| Strategy for Future Research Activity |
引き続き、日本食食材についての抗疲労・抗ストレス効果を検討していく。29年度に実施予定であった胃腸の消化活動と全身のエネルギー代謝状態に対する日本食の効果について、主に出汁を対象とし、ヒト用の呼気ガス測定装置を用いて、摂食時の酸素消費量、呼吸交換比、脂肪燃焼量、糖質燃焼量について経時的な測定を行い、エネルギー代謝に与える影響を解析する。
最終年度である平成30年度は、これまでの結果を論文としてまとめ、国内外の雑誌に投稿する。
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| Causes of Carryover |
（理由）胃腸の消化活動測定が機器のシステム劣化により困難であったため。また、予想していたよりも実験の進行に時間がかかり、それに伴い本研究費用の主要な用途である謝金にかかる金額が少なかった。
（計画）平成30年度は遅れを取り戻す目的で、実験補助員を雇用し実験を効率的に実施し完了させる。また、国際学会への発表と論文投稿についても予定している。
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