2016 Fiscal Year Research-status Report
サクラを加害する侵略的外来種カミキリムシの樹木非侵襲的検出手法の確立
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15K07500
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
加賀谷 悦子 国立研究開発法人森林総合研究所, 企画部, 室長 (70353729)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 侵略的外来種 / Aromia bungii / サクラ / モモ / ウメ / バラ科 / カミキリムシ |
Outline of Annual Research Achievements |
その場所にもともといなかった生き物は外来種と呼ばれ、外来種は在来種を加害することがある。クビアカツヤカミキリAromia bungiiはユーラシア大陸等原産のカミキリムシで、2012年に日本への侵入が確認され、サクラなどのバラ科樹木を加害して、大変な問題となっている。現在、関東、東海、関西、四国で生息が確認されている。幼虫は樹皮下に穿孔し、たくさんの幼虫が食害すると、枯死することがある。被害の拡散を阻止するためには、早期の発見法を確立することが必要なため、本課題では樹幹から排出されるフラスを用いて本種被害を検出する方法の開発に取り組んでいる。 群馬県、埼玉県の3市1町にてクビアカツヤカミキリの発生調査を実施し、本種の被害域の拡大が認められた。それらの被害地で、フラスを採取した。群馬県館林市では、隣接する明和町まで拡散が認められた。埼玉県草加市の被害地は分布の拡大はあったものの、密度の低下が認められ、成虫発生は当初発見された葛西用水沿いでは減少していると考えられた。試験に供する試料を得るために、夏と冬に同地にて伐倒された被害木を網室内に輸送した。その被害木から排出されたフラスから良好な昆虫DNAを得る方法を考案した。 また、被害情報収集のための連絡体制を整備し、各地の被害状況の情報を得た。最終年度である2017年度は被害地間での遺伝的変異についても研究して、侵入・拡散過程を推定することを計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本種被害の深刻化により、遺伝子実験よりも実際の防除法開発の検討等へ研究エフォートを割いたため課題の進捗に遅れが認められるが、3年間で開発が可能な技術整理はできたため、やや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
サクラ等バラ科樹木から排出されるフラスを用いて遺伝子解析から種を同定するバーコーディング技術を確立し、被害の早期検出法の現場での適用を図る。
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Causes of Carryover |
遺伝子解析の本格的な着手が次年度となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究補助員の雇用も含め計画を効率化し、研究進行を早める。
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Research Products
(3 results)