2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K07513
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
藤本 高明 鳥取大学, 農学部, 准教授 (40446331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芳賀 弘和 鳥取大学, 農学部, 准教授 (90432161)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 木材材質変動 / 水分環境 / 土壌水分 / 密度 / 含水率 / 森林微地形 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,基本的な木材性質が,生育立地の違いによってどのように変動するかを,数理統計モデルを適用し定量的に評価・予測することである。生育立地条件として,木材性質変動に最も強く影響を及ぼすとされる水分環境について検討する。本研究により木材性質変動を定量的に予測可能となれば,既存の材積等に関する成長予測モデルと組合せることによって,量・質ともに視野にいれた新たな森林資源管理の実現につながり,ひいては品質・性能の明確な木材製品に対する消費者ニーズに柔軟に対応することができる。 木材の基本的性質,すなわち生材含水率,密度およびヤング係数が生育立地の水分状態の違いでどのような変動を示すかを明らかにするため,本年度は水分環境の顕著な差異が見込まれる尾根部および谷部にそれぞれ試験プロットを設定した。各プロットに土壌水分センサーを設置し,通年の土壌水分変動のモニタリングを開始した。合わせて,設置したセンサーの周辺部の土壌水分を適期的に測定し,各時期の水分状態を把握した。その結果,当初の予想通り尾根部よりも谷部の方が高い水分状態にあった。また,一部のプロット(ヒノキ林分)からは,木材性質試験用の立木を伐採し,木材の性質(年輪幅,材の密度)を調べた(尾根,谷から10本ずつ)。肥大成長量は尾根部よりも谷部からの材料の方が有意に大きい傾向にあった。材の密度については,尾根部よりも谷部より得た材の方が有意に高い傾向であった。密度の樹幹内での変動を非線形混合効果モデルをあてはめることによって,定量的に評価した。 次年度以降は,他の樹種,形質について同様の検討を加える予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の主な計画であった,水分環境の顕著な差異が見込まれる尾根部および谷部にそれぞれ試験プロットを設定することができた。また,各プロットに土壌水分センサーを設置し,通年の土壌水分変動のモニタリングを開始した。また,一部の試験地からは材料も入手でき,予定した実験を完了することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は,各試験地の土壌水分モニタリングの結果を解析し,尾根部,谷部の水分状態の季節性等を解析する。合わせて,同データを用いて,木材性質変動との関連を明らかにする。これまでに,針葉樹1樹種(ヒノキ)の実験を完了しているが,残りの針葉樹1種(スギ),広葉樹2種(ケヤキ,トチノキ)の試験材料収集を実施し,各種木材性質の計測を行う。得られたデータを統計モデルを適用し,定量的に評価し,森林管理技術への基礎技術として提案する。
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Causes of Carryover |
本研究に関連して設置したセンサーのデータを確認後,センサの追加,あるいは当該研究に関連する論文を投稿する予定であった。しかしながら,1月にセンサーの不具合が起きていたことが判明したため,センサーを追加するにしても論文を完成させるにしても,不具合の原因および解析結果への影響を見極める作業が必要となった。この作業には,再度の現地観測を伴うため数ヶ月はかかると予想された。これにより,センサーの追加,あるいは論文作成に割りあてていた予算を次年度に使用することになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現地の状況から判断すると,今年度の6月頃の多雨期と8月頃の少雨期での現地観測を行うことで,不具合の原因と解析結果の影響がどの程度か特定できると思われる。結果的に,センサーの更新を余儀なくされる場合もあるが,10月までには予定していた予算を使用することができると考えている。
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