2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidating the cause of strange odor production in Lake Ogawarako
Project/Area Number |
15K07532
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
眞家 永光 北里大学, 獣医学部, 講師 (00453514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村瀬 潤 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (30285241)
柿野 亘 北里大学, 獣医学部, 講師 (10623936)
丹治 肇 北里大学, 獣医学部, 教授 (50414446)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 小川原湖 / 全窒素 / 全リン / 長期変動 / 富栄養化 / 物質循環 / 2-MIB |
Outline of Annual Research Achievements |
小川原湖における異臭味物質である2-MIBの発生要因を解明するために,湖水の水質の実態と近年における変動,およびその要因について調査した。その結果,小川原湖の水質変動には,湖水循環の変化が大きく寄与していることと,湖水循環には大風などの極端な気象が影響を及ぼすことを明らかにした。得られた結果は,小川原湖の水質変動の予測に役に立つと考えられる。 小川原湖の水質に及ぼす水文環境の実態と近年の変化を長期的調査より明らかにした。小川原湖には,14mから18mに塩分躍層が存在し,この塩分躍層は,4月・5月の大風や,台風のような極端な気象によってもたらされる暴風により水深が変化すること,その変化は数カ月間にわたり持続されることが見いだされた。また,2011年から2017年の小川原湖水中の全窒素量は,642~1554t,全リン量は61~192tと見積もられた。湖水体積で13%を占める15~21mの層に全窒素の43%(22-63%),全リンの66%(38-79%)が存在すると推定され,この層の窒素,リン量は経時的に大きく変動することより,浅層の窒素・リンの重要な供給源になっていることが示された。 植物プランクトンの増殖に影響を及ぼすと考えられる湖水中の鉄濃度は,空間的および時期的変動があることを見出した。糸状藍藻類の増殖が観測される秋季に鉄濃度が上昇したことから,糸状藍藻類の増殖に鉄が関与している可能性が示唆された。 小川原湖は,植物プランクトン組成の異なる3つの水域に類別されるとともに,秋期にラン藻類が優占することがクロロフィルaとクロロフィルc量の長期的変動より示された。 異臭味物質である2-MIB産生菌として考えられる糸状藍藻類15株を単離培養することに成功した。そのうち5株が2-MIB産生遺伝子を持っていた。今後は,これらの株の生理的特徴(増殖要因)について明らかにする予定である。
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Research Products
(1 results)