2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K07544
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野畑 重教 東京大学, 大気海洋研究所, 研究員 (00526890)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 母川回帰 / サケ / バイオテレメトリー |
Outline of Annual Research Achievements |
大槌湾をフィールドとしてサケの回帰親魚の行動解析を行った。放流した95尾のうち大槌湾河川へ遡上したのは3割程度と非常に低い値で、特に4年魚の遡上率が悪かった。川に入った個体のうち、複数回いづれかの川へアクセスした個体の割合は約3割で、昨年度よりも大きく減少した。 生殖腺の成熟状態と行動との間で明らかな相関は認められなかったが、最終成熟をむかえていない個体は、放流から河川への侵入までの時間がかかる傾向があることから、回帰親魚は湾内で最終成熟を迎えた後に川へ入ると予想される。 放流した個体の鰓が海水型なのかあるいは淡水型なのかを明らかにする目的で、Na/K/ATPaseのサブユニットであるα1aとα1bの同定を行い、今後免疫染色を行うための抗体を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
震災年降海個体のデータ収集が順調に進んだこと、回帰行動と成熟度との相関について研究を開始できたこと、鰓における海水適応能の分子マーカーを同定できたこと、などほぼ計画どおりに研究が進んだため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き大槌湾内での行動解析を今年度をほぼ同じ匹数で実施する。鰓の分子生物学的及び組織学的解析により海水型か淡水型かを評価し、行動解析の考察をする。
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Causes of Carryover |
ELISAキットが購入済みのストックでほぼ間に合ったこと、超音波ピンガーの回収率が高く新たに購入する必要がなかったことで、当初購入予定であったこれらの実験機器を購入しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ELISAキットはストックがほぼなくなったため新たに購入する。鰓の解析で高額の実験動物(大目ます)が必要となったため、この購入に充てる。
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