2015 Fiscal Year Research-status Report
沖縄来遊ザトウクジラ個体群の集団遺伝的構造と資源動態
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15K07547
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
加藤 秀弘 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (30371917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 英可 国立研究開発法人水産総合研究センター, その他部局等, 研究員 (60371936)
鈴木 直樹 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (70293090)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 水産学 / ザトウクジラ / 繁殖場 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主としてフィールドワーク中心の活動を行い、沖縄海域及び近年当研究グループがザトウクジラの出現を確認した奄美海域にて、バイオプシー生体標本の採集を行った。直轄サンプルとして、7検体及び21検体を採集した。 分析としては平成26年度までに協力機関で蓄積されていたバイオプシー生体標本318検体について、mtDNAコントロール領域を解読するとともに、うち261検体の性別を核DNA のY 染色体上のSRY 遺伝子の増幅の有無の確認により判定した。新規情報を既往知見に加え、沖縄近海に来遊するザトウクジラのハプロタイプ多様度や塩基多様度を再計算した。現地打ち合わせを行い、バイオプシー標本の採集状況を確認するとともに、採取方法の改善について現地担当者と打ち合わせた。 沖縄海域に来遊するザトウクジラの来遊頭数の推定のために必要となる個体識別データの調査状況を確認した。また、奄美海域においても同様のデータ収集をこなった。一般財団法人沖縄美ら島財団総合研究センターの担当者と、個体識別データを得るための調査方法の改善策を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度はフィールドでのサンプル採集に力点を置いたが、次年度には分析及び成果発表を加えてて研究を進捗させたい。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度には新たに採取された表皮サンプルを加えザトウクジラのハプロタイプ多様度や塩基多様度を再計算し、沖縄近海に来遊する本種の遺伝的特性の把握するとともに、Genbank に登録されている他海域で得られた塩基配列等、公表済みの既往情報の収集に努め、次年度に予定されている遺伝的分化の詳細計算、海域間の移動の有無や程度に年変化や雌雄差が認められるかの解析につなげる。現地調査を行い、バイオプシー採取方法のさらなる改善に努める。 また、個体識別データを得るための調査を継続するとともに,近年の来遊頭数をJolly-Seber法により推定する。さらに,これと過去に推定されている来遊頭数と合わせ,推定来遊頭数から沖縄海域に来遊するザトウクジラの来遊頭数の個体群動態モデルについて検討する。 さらに、研究発表や論文投稿も積極的に行って行きたい。
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Causes of Carryover |
3月末に行った調査出張が短縮されたため余剰が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度分の調査旅費に加えて、予算執行したい。
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