2017 Fiscal Year Annual Research Report
Nutritional Availability and Anti-tumor Activity of Low Molecular Weight Selenium Compound Contained in Dark Muscle
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15K07589
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
吉田 宗弘 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (30158472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福永 健治 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (30278634)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | セレン / 抗がん活性 / 血合い肉 / 大腸癌前癌病変 / 異常腺窩巣 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、大腸癌前癌病変の生物学的指標として応用が進んでいる異常腺窩巣(ACF)数を指標に、クロマグロ血合い肉に含有される低分子セレン化合物の抗がん活性を評価した。クロマグロ血合い肉に含まれている低分子セレン化合物を単離することが出来なかったため、血合い肉を0.1 N塩酸でホモジナイズした上清(粗画分、セレン濃度27.3μg/g)を用いることにした。 4週齢雄性A/Jマウスを未処置群は4匹、対照およびセレン化合物粗画分群は9匹飼育した。水および餌料は自由摂取とした。飼育1週間後、未処置群以外のマウスに、アゾキシメタン(AOM) 10 mg/kg体重を腹腔内投与した。飼育2~3週間、2%デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)水溶液を飲水として与えた。飼育31日後、常法により、大腸を摘出し、ホルマリン溶液で組織固定した。24時間固定した大腸を0.02%メチレンブルー液で5分間染色し、光学顕微鏡下で異常腺窩が4個を超えて集合して形成したACF数をカウントした。 AOM投与後に約20%の体重減少がみられたが、その後体重は増加に転じた。大腸粘膜のACF数について、対照群と比較して、セレン化合物粗画分群では有意な変化は認められなかった。セレン化合物粗画分群でACF数が減少しなかった理由として、粗画分にはミオグロビン由来と考えられる鉄が含まれていたため、鉄が大腸組織の損傷を促進したことが原因と予測している。本実験では、鉄が含有する粗画分を用いたために、鉄の影響が大きく、低分子セレン化合物の抗がん活性を評価することは叶わなかった。
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