2017 Fiscal Year Annual Research Report
Exosome-mediated methylmercury detoxification in zebrafish embryos
Project/Area Number |
15K07593
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Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
今村 伸太朗 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 中央水産研究所, 主任研究員 (80510007)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | エキソソーム / ゼブラフィッシュ / メチル水銀 / ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
卵稚仔が飼育水中に分泌する顆粒(エキソソーム)の性状、導入経路及び生物活性を解析し、エキソソームの生理・生化学的な役割を明らかにすることを目的とした。メチル水銀システイン(1μM)の曝露によって飼育水に分泌されるエキソソームを超遠心分離装置で濃縮し、ゼブラフィッシュ胚に再びマイクロインジェクション法によって注入(10nL)し,メチル水銀システイン(0.1-5μM)を曝露したところ,致死率が低下した。この結果から,分泌されるエキソソームにはメチル水銀感受性を低下させる作用が明らかになった。昨年度,メチル水銀に対する感受性低下のメカニズムを明らかにするために、メチル水銀投与区と非投与区のエキソソーム分画に含まれるタンパク質をiTAQ解析によって網羅的に同定し,比較した。タンパク質の量的な差,機能性から判断し,重要と思われるタンパク質の遺伝子欠損体をCRISPR/Cas9を用いて作出した。その結果,細胞内の物質輸送を担うタンパク質の変異体(ヘテロ接合体及びホモ接合体)は,メチル水銀システイン(0.01μM―100μM)曝露に対して高感受性となった。メチル水銀システイン(10μM)曝露によって,野生型では27.8%斃死に対して,変異体では100%斃死し,メチル水銀に対する感受性が亢進した。以上から,分泌されるエキソソームにはストレス耐性の作用があり,また,エキソソームに含まれるタンパク質がストレス耐性に関与することが示された。
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