2016 Fiscal Year Research-status Report
EUの直接支払および持続可能な農村振興に関する実証的研究
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15K07605
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
松田 裕子 三重大学, 地域イノベーション推進機構, 社会連携特任教授 (50442562)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | EU共通農業政策 / EU農村振興 / 農村アニメーター / 地方創生人材 / 地域人材育成 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は,研究課題2「EUにおける農村アニメーターの実態に関する検討」を研究の中心に据え,インターネットでのスペイン・ドイツ等のEU加盟国における先行的な優良事例の情報収集,ドイツ・バイエルン州の農村アニメーターへのメールでのヒアリング調査等に努め,現状および課題,農村アニメーターの機能に対する評価等を整理分析を行った。 第1に,スペイン・ドイツの大学研究者等とのメール調査を通じて,EUの政策体系の変更や大学院での地域人材育成プログラムが農村アニメーターの量および質に及ぼす影響を議論するとともに,日欧の比較分析を通して,我が国の農村振興を目的とした類似制度および地域人材育成の実効性を吟味した。 第2に,内閣府の地方創生人材支援制度による地方創生人材の2年目であり,自らが日本版農村アニメーターとして現場の中核を担う機会を得たことから,農村振興における理論と実践の往還を重視した。とりわけ研究課題3「農村振興のための効率的な人材育成カリキュラムの検討」について,EUの先行的取り組みを参考に,地方大学による地域人材育成の手法およびコースウェアの検討を深め,一定の目途をつけた。 なお,研究課題1「2013年改革の実施運用に関する最新の情報収集」については,研究対象であるCAP改革の成立が大幅に遅れたこともあり,その直接的ないし間接的な経済効果の分析に向けた情報収集を継続して行うとともに,国内外のEU研究者等との情報交換および意見交換を定期的に行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度より我が国に新しく導入された内閣府の地方創生人材支援制度によって,地方創生人材として三重県南伊勢町への2年間の出向を命じられていたため,平成28年度においては海外調査を実施することができなかった。他方,日本版農村アニメーターとしての経験が貴重な蓄積となり,理論と実践の往還が進み,当初の計画をはるかに上回るレベルで地域人材育成のコースウェアの作成が進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は,3つの研究課題の整理分析を深めるべく,海外調査を重点的に実施するとともに,理論と実践のバランス,中央と地方,EUと日本の比較分析を通して我が国農村振興のさらなる改善のための研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
平成27年度~28年度の2年間,内閣府の地方創生人材支援制度により三重県南伊勢町のまちづくり政策監として出向していたため,当初の計画通り海外調査を実施することが適わなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度に重点的に実施する海外調査に使用する。
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