2015 Fiscal Year Research-status Report
農地流動化進展地域における地域農業ガバナンスの再編と機能化に関する研究
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15K07606
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊庭 治彦 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (70303873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 明広 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 研究員 (20355465)
坂本 清彦 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (30736666)
山下 良平 石川県立大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (40515871)
片岡 美喜 高崎経済大学, 地域政策学部, 准教授 (60433158)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地域農業 / ガバナンス / 農地流動化 / 農地集積 / 規模拡大 / 構造変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究機関の初年度である本年は、大きくは3つの研究活動を行いそれぞれに成果を得るとともに次年度の研究に向けての準備を行った。研究活動の第一は国内調査であり、研究分担者毎の事例調査・分析とともに共同調査(10/13-10/14:石川県、福井県)を実施し、その結果の検討(10/13、3/27)を行い、併せて生産現場の実態と問題に関する研究分担者間の認識の共有化を行った。具体的には、好条件地域の水田作において規模拡大する個別経営体および組織経営体の経営実態を把握しつつ、地域農業の変化および地域社会の対応にみるそれらとの関係性を検討した。 第二は国外調査であり、ドイツ連邦共和国ニーダーザクセン州ゲッティンゲン郡、および米国カリフォルニア州西サクラメント市において農業者への聞き取り調査により農業経営の実態と問題の把握を行った。前者では、耕種農業における経営の固定化傾向とその要因に関して、および畜産経営における加工事業への取り組みによる経営の成長・発展に関して実態把握と要因の検討を行った。後者では園芸作について中規模経営と小規模経営の両タイプの聞き取り調査を行い、とくに生産資材(種苗)の調達に関わる事業ネットワークに関する調査を行った。 第三は、研究成果の公表であり、国内外の学会等において研究成果の報告、および雑誌もしくは書籍として刊行した。とくに、前者に関しては海外学会での報告および外国の研究者を日本へ招聘しての共同研究会で報告することにより、国内農業が抱える問題およびその対処に関して、海外における類似問題との比較をとおして意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内研究に関しては、多数の事例地域において調査・分析を行うことができたと同時に、研究分担者間の共同調査により次年度以降の研究推進の基礎を固めることができた。国外調査に関しては、同一地域における部門間比較あるいは規模別比較となる調査を行い得た。研究成果の公表に関しては計画にそった実施ができている。とくに海外の研究者との意見交換は期待以上の成果が得られた。以上のことから、今年度の研究についておおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究2年目となる次年度の研究推進方策は、初年度の調査・分析結果を踏まえながら、地域条件別の地域農業および農村社会のガバナンス比較研究を進める。そのため、国内調査では引き続き滋賀県、北陸地方等において農業地域類型を網羅するよう調査地を設定する。その際、多様なサンプルを得るために、新たな農地流動化進展地域を調査地として加えることを視野に入れ情報収集を行う。海外調査については、米国およびドイツやフランス等のヨーロッパにおいての調査を継続しつつ、より幅広い事例の選択により現地調査を行う。なお、ドイツについては女性農業者組織に焦点を当て、農村社会のガバナンスに対する機能の調査を行う予定である。研究成果の公表については、書籍として刊行することを予定している。
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Causes of Carryover |
国内研究に関わる調査において遠方地が少なかく、また、研究分担者の一人が海外調査を次年度に延期したため、旅費が予算額を下回ることとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の研究費については、主に国内調査および国外調査、国際学会での研究発表に要する旅費として使用する。
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Research Products
(6 results)