2017 Fiscal Year Research-status Report
アフリカの角遊牧民の畜産物バリューチェーンに関する計量経済分析
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15K07638
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| Research Institution | Japan International Research Center for Agricultural Sciences |
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Principal Investigator |
鬼木 俊次 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 社会科学領域, 主任研究員 (60289345)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 牧畜 / エチオピア / 経済 / 規範 / 草原 / 市場 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
サブサハラ・アフリカの乾燥草原地域では、近年乾燥化が進行し、そこに住む牧畜民の長期的な生産力の向上と所得の安定化が求められている。本研究が対象とするエチオピア北部でも伝統的に遊牧民は自給自足的な生活を行ってきた。しかし近年、生活の困窮化に加えて、穀物や食料油、様々な生活資材を購入するようになり、多くの現金収入が必要となってきた。そのため、牧畜生産物の販売により現金収入を求めるようになった。草地資源を減少させずに所得を向上させるためには、家畜頭数を増やすのではなく、付加価値を増加させるように促す必要がある。エチオピア遊牧民は、近年、市場経済のネットワークへ取り込まれつつあるが、本研究の現地調査によって、高地・中低地の農民との交流を通じて、ものの販売や購入を行っていることが明らかになった。我々は遊牧社会の市場経済化の影響を探るため、世帯レベルのデータを収集し、牧畜生産物の販売・流通・加工の要因を計量経済手法を用いて分析を行った。モデルで予測することにより、遊牧民の市場経済化への対応と発展の可能性を定量的に示すことを試みた。特に牧畜生産から乳製品の流通・販売に通じるネットワークを改善する方策をさぐることに重点を置いている。乳製品等の販売における市場の効果を示すため、これまでの調査データを用いて計量経済モデルの構築を行った。また、牧畜民と農牧民の間の伝統的なネットワークによって、どのように生計を向上させるかということについても推定を試みた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カウンターパート研究者の大学の行事のため現地調査時期は遅れたが、データの集計と分析は予定どおり行うことができた。29年度は計量経済モデルの構築を行うことが主要な業務であり、それについては当初計画にそって行った。
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| Strategy for Future Research Activity |
30年度には、計量モデル用いた定量的な結果を導くため、低地の農牧家計調査データを用いて、牧畜生産物の生産・販売・流通に関する計量経済分析を行う予定である。また、計量経済分析の結果と聞き取り調査による定性的なデータを総合的に分析し、全体のまとめとして現地の地方政府機関への提言を作成する予定である。
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| Causes of Carryover |
本年度はカウンターパートの博士論文審査と重なったことと、過去のデータ分析に時間がかかったため、次年度に行う予定であったデータ分析に従事した。新たなデータ収集を行わなかったため、予定していた旅費および現地調査費が余ることになった。平成３０年度に、当初計画していた調査を行う予定であり、そのための経費ととりまとめおよび論文発表の経費が必要であるため、３０年度内にすべて使用する予定である。
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Research Products
(4 results)
