2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K07674
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
武田 純一 岩手大学, 農学部, 教授 (80133908)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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Keywords | 果樹園 / 除草 / ロボット / 自律走行 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の実施計画は,1)ベース車両の改造と不具合点の検討,2)樹列間の往復走行の経路計画立案と車両制御実験の実施,3)全方位カメラの設置位置や設置方法等の検討,4)障害物認識・回避理論の構築に向けたセンシング及び制御システムの予備試験の4点であった。 1)については,電動シリンダにより前後進レバーを制御できるように改造した。この結果,現場の外界状態により車両の発進・停止,及び車速の制御を行えるようになった。また,レーザスキャナ(LS)を車体の前方に装着し,樹木の幹をセンシングし樹列間の中央を走行する実験については,本年度は改めて制御ロジックを再検討することにより,車両の自律走行に必要な安定的な制御パラメータの検討,車線変更時の安定な走行パラメータなどの検討を行った。この結果,前年度よりも安定して走行するシステムを構築することが出来た。 2)については樹列間の任意直線を走行するロジックは構築したが,実車実験は次年度に実施予定である。3)については,全方位カメラの解像度が期待したほど良くないことや車体振動による画像の揺れの影響が大きく,別途市販のビデオカメラを用いて果樹園内を走行した画像を取得し,この画像から各種果樹の樹木画像を数百枚供試し,AI技術を用いて樹木の画像認識を行わせた結果,車両から数m先の左右の樹木を認識させる事が可能となった。次年度は更に樹木の認識精度を向上させる方法を考案していく他,画像情報による走行経路の作成方法等について検討する。4)については主としてLSを供試して行う予定であったが,上記1)と3)に予想以上の時間を費やしたため,次年度の課題とすることとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
樹列間での小型乗用モーアの安定した走行を維持するため,シミュレーションにより最適な制御パラメータを選定したが,車両の操舵系とのマッチングにやや時間を要したため,枕地での旋回,次の樹木列への移動方法などの検討が,遅れてしまった。今後早急に上記の走行方法の検討を行い,実車実験で走行方法の妥当性を検討する予定である。 全方位カメラを用いた樹列の認識と車両の制御への応用については,全方位カメラで撮影した画像について種々時間を費やし検討したが,解像度等の影響で期待した成果を見出すことが難しく,現状では別途単眼カメラにより車両前方の画像を撮影し,まず樹木列の認識方法の検討を重点的に行うこととした。この結果,AI技術を利用することにより,ある程度の樹木認識は出来る可能性を見出したので,今後はより多くの現場に対応出来るようにする。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は,最終年度になるので,平成28年度までの実施経過を基に以下の通りとする。 1)車両の枕地での旋回方法の検討と,次列への進行方法については,作業方法の観点から,周回軌道と枕地での前後への転回方法の両面から検討し,実車実験を行いながら車両の最適な運動方法を見出すこととする。 2)画像処理を応用して樹列間を走行する方法については,更に各種の画像を供試して,樹木検出精度の向上を図って行くこととする。また,車両の走行経路創出を行い,樹列間での車両の制御実験を行うこととする。 3)LSを用いた障害物の認識については,樹列以外の物体の検出方法を検討し,実車実験を行い停止または回避出来るようにする。
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