2018 Fiscal Year Annual Research Report
Discrimination of crop type and growth stage using multi-frequency polarimetric microwave remote sensing
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15K07675
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
米澤 千夏 東北大学, 農学研究科, 准教授 (60404844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 学 東京電機大学, 理工学部, 研究員 (10371147)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 合成開口レーダ / フルポーラリメトリックSAR / 水稲収量 / マイクロ波 |
Outline of Annual Research Achievements |
航空機搭載Xバンド合成開口レーダによる全偏波観測データの解析をおこない以下の成果を得た。 1) 散乱メカニズムへの入射角の影響の作付作物による違いの解明 マイクロ波の入射角の変化による散乱メカニズムへの影響は、作付作物ごとに異なった。水稲作付圃場において、入射角約33°の観測データと入射角約52°の観測データを比較すると、52°のほうがエントロピーとα角は大きくなった。一方、イネ科牧草、デントコーン、ナガイモの作付圃場においては、入射角約52°の観測データのほうが全体的にエントロピーは大きくなり、α角は小さくなった。入射角約52°の観測データでは、水稲作付圃場とイネ科牧草作付圃場の判別は困難であったが、入射角約33°の観測データでは判別が可能であった。また、大型の垂直的な植物であるデントコーンや地上に垂直なパイプ支柱を設置して栽培するナガイモは入射角約52°の観測データの場合、他の作付作物と異なる傾向がみられた。 2) 水稲収量の予測可能性 水稲作付圃場において、9月下旬から10月上旬の刈取時点での10a当たりの玄米重量とエントロピー値との相関係数を算出したところ、マイクロ波の入射角が大きいほうが玄米収量との相関が大きい傾向にあった。またアニソトロピーとは玄米収量と負の相関が示された。玄米収量が大きいほど、8月観測時点での水田の葉冠は複雑な形態をとり、体積散乱の寄与が大きくなり、二回反射散乱と表面散乱の寄与が小さくなり、マイクロ波の散乱形態が複雑になるため、エントロピーは上昇し、アニソトロピーは減少すると考えられる。マイクロ波の入射角度が小さいほど、マイクロ波が深く進入するため、後方散乱波に茎葉の情報を含むが、マイクロ波の入射角度が大きくなると、表層部分すなわち穀物部分での散乱の寄与が大きくなり、後方散乱波に穀物部分の情報を多く含むと考えられる。
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