2016 Fiscal Year Research-status Report
動き識別装置を用いたウシの睡眠行動分析に基づくウェルフェアの評価
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15K07702
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
二宮 茂 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (40508305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 康成 岐阜大学, 工学部, 教授 (00262957)
深澤 充 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター, 上級研究員 (70391373)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 睡眠 / 動画解析 / 加速度 / 行動記録 |
Outline of Annual Research Achievements |
東北農研センター内の牛舎で繋留飼育されている黒毛和種繁殖雌牛6頭(平均月齢、94.9±41.7)を用いた。目視による睡眠姿勢の記録では、赤外線投光機能付きのccdカメラで供試牛を24時間撮影した動画から連続記録法により各睡眠姿勢(頭部静止姿勢、頸部脱力姿勢)の開始・終了時刻を記録した。動画解析による記録では、目視記録と同じ動画を用いた。その動画の指定した範囲内で動きが見られない状態、または動きがある一定値以下の状態が5秒以上継続された時に開始時刻と終了時刻を自動的に記録するようプログラムを使用した。加速度計による記録では、動画撮影と同時にウシ後頭部に装着した加速度計から得られた波形データによる特定を行った。最後に目視を基準とし、動画解析および加速度計のデータと比較した。 動画解析の夜間のデータにおいて、反芻・立位を除いた場合、目視データとの整合性が高かった。これは別の農場で調査を行った昨年度と同様の結果であった。一方、昼間のデータについては、動画解析プログラムによる動画内の動きの検知が増加することで、データの記録時間が短くなる傾向にあり、また、細かく区切られることで記録回数が多くなるという結果となった。 加速度計による解析の結果、頭部静止姿勢については、波形データのバラツキが小さくなる特徴が見られたが、他の波形との区別が付きづらいことで、開始・終了時刻の特定はできなかった。一方、頸部脱力姿勢については、ウシが頭部を移動させる際の動作に特有の波形が観察されることから、開始・終了時刻の特定が可能であった。 以上の結果より、動画解析については、夜間のみ睡眠姿勢の計測の省力化に有用であること、加速度計については、頭部の移動を伴う頸部脱力姿勢を検知する場合のみ省力化が可能となることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
睡眠姿勢の測定を大学以外の農場でも実行し、解析できることを確認できた。また、動画解析プログラム、加速度計を用いた、測定方法についての検討も完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで検討した測定システムを用いて、ウシの睡眠姿勢、ウェルフェア、生産性の関係を解析する。
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Causes of Carryover |
研究は順調に進んでいるため、経費も計画的に使用されたことから、未使用額は少額となっている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費の一部とする。
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Research Products
(5 results)