2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the formation mechanism and its function of phytanic acid in food from ruminants
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15K07706
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
河原 聡 宮崎大学, 農学部, 教授 (30284821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲西 友紀 宮崎大学, 農学部, 准教授 (20717889)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 畜産食品 / 天然型フィタン酸 / 反芻動物 / 乳 / 肉 / 免疫担当細胞 / 炎症性サイトカイン / ルーメン微生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
食品成分の機能性研究が進展し,人の健康に有益な作用をもつ生理活性物質が様々な食品から発見されている。動物性脂肪に含まれる成分については,オレイン酸について脂質異常症の改善作用,共役リノール酸について抗発がん作用などが報告されている。本研究では,近年,反芻動物由来食品に含まれるフィタン酸に注目し,反芻動物に由来する乳・肉の付加価値向上を目指して研究を実施した。フィタン酸は,人の体内で行われる様々な代謝反応を制御しているペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)の外因性リガンドであり,肥満や糖尿病との関連が深い,インスリン抵抗性や脂質異常症の改善に繋がると考えられている。 本年度は(1)乳・肉中のフィタン酸含有量調査,(2)フィタン酸の新規機能性としての免疫細胞機能に及ぼす影響の調査,(3)ルーメン微生物によるフィタン酸生成機構に関する検討を実施した。課題(1)では調査の対象を肉に広げ,日本国内で生産された牛肉,および日本とは家畜の飼養形態が異なるアメリカ産あるいはオーストラリア産の牛肉との比較して,国産牛肉についても外国産のそれよりフィタン酸含量が非常に少ないこと,フィタン酸代謝物であるプリスタン酸は比較的多量に含有されていることを確認した。課題(2)では,8種類存在するフィタン酸異性体のうち,天然に存在する2種類の異性体のみを化学合成し,その作用について培養細胞を用いて実験し,8種類の混合物である試薬と天然型のフィタン酸に免疫細胞修飾機能における差異はないことを確認した。課題(3)では,昨年度の試験結果の再現性を確認するため,乳牛から採取したルーメン微生物培養物を用いて,フィトールなど前駆物質からのフィタン酸の生成量について再評価し,ルーメン微生物以外の生成要因を検討する必要があることが確認された。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Naturally occurring 3RS, 7R, 11R-phytanic acid suppresses in vitro T-cell production of interferon-gamma2017
Author(s)
Tomonori Nakanishi, Ibuki Motoba, Mayuko Anraku, Ryoji Suzuki, Yuto Yamaguchi, Laurie Erickson, Nozomu Eto, Kazuhiro Sugamoto, Yohichi Matsushita, Satoshi Kawahara
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Journal Title
Lipids in Health and Disease (印刷中)
Volume: -
Pages: -
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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