2015 Fiscal Year Research-status Report
イヌ悪性メラノーマに対する化学修飾microRNA-205の治療効果
Project/Area Number |
15K07742
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
森 崇 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (40402218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 俊助 山口大学, 獣医学部, 准教授 (10701295)
酒井 洋樹 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (40283288)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | microRNA / メラノーマ / 疾患モデル動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、miR-205BPのイヌ自然発症悪性メラノーマに対する増殖抑制効果を検証することが目的である。研究項目としてはRNase耐性化学修飾miRNAであるmiR-205BPの自然発症での治療効果を検証した後、腫瘍組織中のmiR-205の発現量および病理組織学的特徴とmiR-205BPの治療効果との関連について解析することとなっている。 27年度は5-10頭の自然発症犬メラノーマに対してmiR-205BPの投与試験を行う予定であったが、実際には局所投与3頭、全身投与3頭の組み入れを行った。 予備試験では、導入試薬としてリポフェクタミンを用いたが、今回はmiR-205BP単独で局所投与を行ったところ、3頭中1頭で完全寛解となり肉眼的な腫瘍が消失した。この結果から、in vitroで認められていたmiR-205BPのRNase耐性が、in vivoでも同様に認められる可能性が示唆された。また、トランスフェクション試薬を使用せずに臨床効果を認めたことから、何らかのメカニズムでmiR-205BPが細胞内に直接取り込まれている可能性がある。 一方、全身投与を行った3頭では、臨床効果を認めなかった。原因の一つとして投与量の問題が考えられる。今回は10nmol/kgにて投与したが、副作用に注意しつつ増加していく必要があるかもしれない。また、全身投与時にはポリエチレンイミンによる導入試薬を用いたが、これにより肝臓に集積してしまい、局所濃度が上昇しなかった可能性も考えられる。これらについては、in vivo imaging等の利用が可能であれば今後考慮してみたい。また、局所投与でトランスフェクション試薬を用いなくても効果を認めたことから、トランフェクション試薬を用いずに投与することも考慮する必要があるかもしれない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ予定していた試験組み入れ数を確保できた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き試験組み入れ症例の確保に努力する。
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Causes of Carryover |
組織中microRNA濃度の測定について、サンプルがある程度まとまってから行うこととした。そのため、次年度に測定する予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
組織中microRNAの測定に利用予定。
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