2018 Fiscal Year Annual Research Report
Practical strategy for type II subclinical ketosis in dairy cows and a survey to the preventive consciousness of field veterinarians
Project/Area Number |
15K07750
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
及川 伸 酪農学園大学, 獣医学群, 教授 (40295895)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 乳牛 / 潜在性ケトーシス / βーヒドロキシ酪酸 / 対策 / 予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
延長申請を行ったH30年度は以下の2点について検討した。 1.臨床獣医師の予防に対する意識調査 一般の臨床獣医師を対象として、乳牛の周産期疾病に対する予防意識調査が以下のとおり実施された。調査対象:大動物臨床研究会および日本家畜臨床学会に所属する臨床獣医師会員942名。アンケートの配布:シンポジウムおよび郵送。アンケート内容:回答者像(8問)、一般的な予防関連事項(14問)、潜在性ケトーシスの予防(8問)、今後の疾病予防(4問)。回収結果は105人(11.1%)と少なかったことから、アンケートに対する興味の低さ、または質問数が多かったことが関係していると考えられた。主な結果として、予防指導の状況が不十分あるいはやや不十分=84%、予防対策マニュアルを持っている=18%であり、予防医療業務の希薄さが示された。また、潜在性ケトーシス(SCK)の防除の重要性を感じる=67%、SCKの対応マニュアルを持っている=5%であり、予防の必要性は感じるものの実践されてないことが浮き彫りになった。 2.塩酸ベタイン製剤(BP)が乳牛のルーメン発酵および消化に及ぼす影響 泌乳初期牛へのBP投与によって乳量が増加することが本研究内で明らかにされた。その要因としてルーメン環境の変化が考えられたことから、BP添加によるルーメン発酵と消化について調査した。乾乳牛および泌乳牛から採取したルーメン液に泌乳期用TMR(基質)を加え、BPを添加後6および24時間培養した。BP添加量は低区(30g/日/頭相当)または高区(60g)とした。乾乳牛のルーメン液は泌乳牛と比べ、乾物消化率、ガス発生量およびVFA濃度が低かった。乾乳牛のルーメン液のBP高区では6時間後のガス発生量とVFA濃度が高く無添加区との差が認められた。一方、泌乳牛のルーメン液ではBPのこのような効果はなかった。以上より、BPの乳量増加効果は乾乳期から分娩泌乳へと転じた時期のルーメン内の消化促進作用を反映している可能性が示された。
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