2016 Fiscal Year Research-status Report
イヌ尿細管上皮細胞のStat1による三次元管腔形成の制御
Project/Area Number |
15K07763
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
新井 克彦 東京農工大学, 農学部, 教授 (60175940)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 腎尿細管細胞 / 腎特異的カドヘリン / MDCK / CDH16 / Stat1 |
Outline of Annual Research Achievements |
【はじめに】イヌ尿細管上皮細胞由来MDCKはコラーゲンゲル内で培養を行うことにより管腔構造が形成され、Hepatocyte growth factor(HGF)存在下でその管腔形成はStat1依存的に促進されることが報告されている。本研究では、MDCK株の管腔形成と腎特異的カドヘリン16(CDH16)発現に対するStat1の関与について検討しているが、本年度は特にCDH16遺伝子上におけるStat1制御領域の同定を試みた。【材料と方法】理研より分与されたMDCK細胞株は20% FBS/DMEMにて増殖させた。CDH16の転写開始点の上流489塩基からその下流1416塩基までの1905 bp の遺伝子断片を含むpGL3-basic ルシフェラーゼベクターを元に4種類の deletion mutant を作製し、野生型Stat1と共に一過性トランスフェクションを行い、ルシフェラーゼアッセイを行った。さらに、これらの遺伝子断片内で予想されるStat1結合領域について点突然変異を導入し、同様にルシフェラーゼアッセイを行うと共にウサギ網状赤血球無細胞系により合成したStat1蛋白質を用いたゲルシフトアッセイを行った。【結果および考察】Deletion mutant を用いたルシフェラーゼアッセイにより、CDH16遺伝子の転写開始点の上流489塩基から110塩基までの379塩基内にStat1結合領域が含まれていた。この379塩基内に3ヶ所のStat1結合領域が予想されたため、各結合部位に対し点突然変異を導入したところ、そのうちの1ヶ所の点突然変異が野生型Stat1に対する反応性が消失し、さらにゲルシフトアッセイによっても明瞭な結合シグナルを得た。以上、本年度はCDH16遺伝子上におけるStat1結合領域の同定に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度はHGFによるCDH16発現について検討し、本年度はそれに関わる転写因子であるStat1 のCDH16遺伝子上にける結合領域を同定できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、Stat1の量的制御によるCDH16発現の制御システムを構築する。
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