2015 Fiscal Year Research-status Report
同一ドナー細胞由来の体細胞クローン牛を用いたゲノムワイドなエピジェネティクス解析
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15K07764
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
金田 正弘 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (80469840)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
ゲノムを修飾し遺伝子発現を制御するエピジェネティクスは、発生・分化のみならず、様々な生命活動に影響を及ぼすとして近年非常に注目されている。しかし、これまで家畜においては、遺伝的要因を揃える事が困難なため、ゲノムワイドなエピジェネティクス研究は行われてこなかった。そこで、本研究では同一ドナー細胞由来の(つまり、同一ゲノムを持つ)複数の体細胞クローン牛を材料に、個体間のエピジェネティクスの違いについてDNAメチル化を指標として非クローン牛間と比較する。その結果から、遺伝的要因を揃えた上で、家畜において環境的要因(特に摂取栄養)がエピジェネティクスに与える影響を明らかにするすることを目的とする。 これまで体細胞クローン牛でメチル化の異常が報告されている遺伝子・領域に着目し、すでにJSPS二国間交流事業で行ったMeDIP-chip法を用いたゲノムワイドなDNAメチル化解析結果をもとに、COBRA法、バイサルファイトシーケンス法、パイロシーケンス法などの方法により、詳細な解析を行う。特にパイロシーケンス法は非常に高精度にメチル化DNAを検出する事ができるものの、高価な機械を必要とするため、幅広くは行われていない。本年度はすでに導入したパイロシーケンサー(QIAGEN PyroMarkQ24)を用いた解析をこれまで得られたサンプルについて行うと共に、現在までにバイサルファイトシーケンス法によってすでに解析した領域(インプリント遺伝子IGF2/H19, PEG3, 反復配列Satellite I/II, 多能性関連因子OCT4, NANOG等)についてパイロシーケンス法との比較検討を行った。一部、パイロシーケンサー用に新たにプライマーや反応条件を再度検討する必要があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度予定していた全ての領域について解析を行うことはできなかった。また、今年度新たに入手できた体細胞クローン牛由来サンプル等もあるため、次年度以降は例数を増やしつつ、予定していた遺伝子領域についての解析を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は入手できうる材料が手に入った時点で更なる解析を行い、例数を増やすと共に、解析する遺伝子領域を増やすために、プライマーや反応条件等の条件検討を行う。
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Research Products
(2 results)