2017 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analyses on a new molecular system, EphA/ephrin-A, in transendothelial migration, infiltration and/or tissue lodgement of monocytes/macrophages
Project/Area Number |
15K07769
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
小川 和重 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (60231221)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 単球 / マクロファージ / Eph / ephrin |
Outline of Annual Research Achievements |
1. EphAシグナルと単球/マクロファージのインテグリン制御:単球/マクロファージにおけるEphAによるインテグリン制御機構を解明する目的で,薬剤で単球に分化誘導できる株化細胞HL60を使ってインテグリンの発現性状を詳細に解析した。その結果,分化誘導に伴いαL,αM,αXおよびβ2発現が有意に上昇することが明らかになり,αLβ2,αMβ2,αXβ2インテグリンによる接着能の増強を示唆することができた。昨年度までに,単球の分化誘導・成熟に伴うEphA/ephrin-A発現誘導・上昇とEphA/ephrin-Aの活性化に伴うインテグリンを介する接着性増強現象を明らかにしており,まとめた研究成果は国際誌に掲載された。また,EphA/ephrin-Aの活性化に伴うインテグリンの活性化はSmall GTPのRap1の活性に由来することを明らかにした。 2. EphA/ephrin-Aシグナルと組織在住マクロファージの組織定着:この研究を進めるためには,細胞材料として組織在住マクロファージの培養増殖法を開発する必要がある。昨年度までに赤脾髄マクロファージの培養法開発の目処がついていたので,汎用的な組織在住マクロファージの増殖培養法の開発を行った。その結果,クッパー細胞,肺の間質マクロファージ,脳の組織在住マクロファージに適用できる増殖・分離培養法の開発に成功し,特許を出願した。開発した方法は,凍結保存・継代培養が可能であるため,大量に組織在住マクロファージを得ることができる。赤脾髄マクロファージと赤脾髄線維芽細胞を使って両細胞のEphA/ephrin-Aの発現性状を明らかにした。また数種の組織在住マクロファージを材料に,M1/M2分極化特性が骨髄系マクロファージ(単球が組織に浸潤して分化したマクロファージ)とは異なる可能性が高いことを明らかにした。
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