2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K07801
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
小島 桂 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門 新産業開拓研究領域, 上級研究員 (40370655)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ScFv / フィブロイン / インフルエンザウイルス / 遺伝子組換えカイコ / アフィニティーシルク |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】 本研究の目的は、インフルエンザウイルス粒子を認識し特異的に結合するシルク材料を作出することである。平成28年度の計画は、平成27年度に作出した「インフルエンザウイルスに対する一本鎖抗体とフィブロインL鎖との融合タンパク質遺伝子」を導入して得られた遺伝子組換えカイコ23系統を用いて、導入遺伝子をホモ化した系統を作出・選抜し、組換えタンパク質の発現を確認することであった。 【研究方法】 まず平成27年度に得られた23系統の遺伝子組換えカイコから、3系統を選抜して複数世代飼育して遺伝子のホモ化を行い、得られた系統が作出する繭を用いて発現する組換えタンパク質の解析を行った。 【具体的成果】 1)23系統の組換えカイコから、兄妹交配により第2世代のカイコ固体が得られた3系統を選抜系統とした。2)それぞれについて、遺伝子挿入数の定量とサザンブロットによる遺伝子挿入数の確定を行いながら兄妹交配を繰り返すことで、最終的に、遺伝子挿入座位数がが1および3で挿入遺伝子数が2および6の2系統の遺伝子組換えカイコが得られた。3)得られた2系統の遺伝子組換えカイコが作出した繭を9M 臭化リチウム水溶液を用いて溶解し、SDS-PAGEにより組換えタンパク質発現量がより多い1系統(3座挿入系統)を選抜した。4)組換えカイコが作出した繭タンパク質を、SDS-PAGEおよびウエスタンブロット解析に供し、目的のタンパク質(フィブロインL鎖-scFv-myc)が発現していることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は計画通りに、組換えカイコの導入遺伝子のホモ化と系統選抜、および組換えタンパク質の発現解析までを行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで計画通りに研究を進めている。平成29年度も当初の研究計画通りに研究を推進する。
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Causes of Carryover |
物品購入における予定価格と、納品価格の差額によるもの。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験用消耗品費として使用する予定。
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